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悪の組織の男達
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目を覚ますと、私は手足を拘束されていた。
殺風景なコンクリート打ちぱなしの壁。黒い革張りのソファ。
(これは・・・・夢・・・・?)
「へ?この人ヒーローじゃねぇの?」
「いや、どう見ても違うでしょ。」
「だってあの組織の建物から出てきたからさぁ。てっきりヒーローだと思っちゃって・・・」
「思っちゃって、じゃねぇよ楓馬。お前、そういうとこだぞ。」
「まぁまぁ仕方ないだろ、今更そんなこと言ったって。」
「あ?完爾、テメェの相棒のミスだろ。お前が責任取れよ。」
「大我、お前に指図されたくねぇんだよ。お前のミス被ってやったの忘れたか?」
「はぁ?あれは元はと言えばテメェが。」
「ちょっと、二人とも。そんなことより解決しないといけない問題が目の前にあるよね?」
部屋の中で言い争う男たちの声。
私は、悪の組織に捕まったらしい。
ヒーローたちが働く秘密組織の、しがない事務員。
世界平和のために日夜戦い続けるヒーローたちの給料を計算し、悪者の情報データを入力をするだけの平凡なOL。
それが私だ。
(そんな私がどうしてこんな目に・・・)
どうやら私は、ヒーローと間違えて誘拐されたようだ。
(どうしよう・・・間違えたとはいえ、簡単に解放してくれるわけもないし、もしかして私・・・殺されるのかな・・・・)
「あれ、目覚めちゃった・・・みたいだね?」
サラサラの黒髪男が、笑顔で近づいてくる。
(ひ・・っ・・・・こ、殺される・・・っ)
彼らの素顔は知られていない。
悪事を働く際は必ずマスクをつけて、その素顔を隠している。
(え・・・?ちょっと・・・・この男・・・)
「つうか、俺ら素顔見られちゃまずいんじゃねぇの?」
黒髪ワンレンのロン毛男が、気だるそうにため息を吐き出した。
「あ~あ、連帯責任な。親秋さん戻ってきたら俺ら全員ぶん殴られるぞ。」
「顔を見られたって・・・どうせ殺すんだから、問題ないでしょ。」
彼らの後方で腕組みをした男性が、残酷な言葉を呟く。
深緑色の髪色、眼鏡をかけている彼は、冷酷な殺し屋の目をしている。
メガネの奥の瞳が、冷たく私を見据えていた。
(・・・っていうか、この人たち・・・・)
「千畝さん、俺が間違えて連れてきちゃったんで、責任取ります!」
オレンジ色の髪の少年が、冷酷男に向かって声を張り上げた。
私を誘拐した張本人。会社の前で道を尋ねられたので対応したらこんなことになってしまった。
童顔で、どう見ても10代にしか見えない男。
「俺から親秋さんに説明する。」
オレンジの少年の兄貴分だろうか?
黒髪短髪の強面男が、少年の肩に手を置いた。
(やっぱり・・・・)
私は部屋の中にいる男たちをじっと見つめる。
マスクを外した悪の組織の男たち。その実態は・・・・?
(全員イケメンなんですけど・・・・!?)
揃いも揃って全員が、一度目にしたら絶対に忘れられないようなイケメンだった。
殺風景なコンクリート打ちぱなしの壁。黒い革張りのソファ。
(これは・・・・夢・・・・?)
「へ?この人ヒーローじゃねぇの?」
「いや、どう見ても違うでしょ。」
「だってあの組織の建物から出てきたからさぁ。てっきりヒーローだと思っちゃって・・・」
「思っちゃって、じゃねぇよ楓馬。お前、そういうとこだぞ。」
「まぁまぁ仕方ないだろ、今更そんなこと言ったって。」
「あ?完爾、テメェの相棒のミスだろ。お前が責任取れよ。」
「大我、お前に指図されたくねぇんだよ。お前のミス被ってやったの忘れたか?」
「はぁ?あれは元はと言えばテメェが。」
「ちょっと、二人とも。そんなことより解決しないといけない問題が目の前にあるよね?」
部屋の中で言い争う男たちの声。
私は、悪の組織に捕まったらしい。
ヒーローたちが働く秘密組織の、しがない事務員。
世界平和のために日夜戦い続けるヒーローたちの給料を計算し、悪者の情報データを入力をするだけの平凡なOL。
それが私だ。
(そんな私がどうしてこんな目に・・・)
どうやら私は、ヒーローと間違えて誘拐されたようだ。
(どうしよう・・・間違えたとはいえ、簡単に解放してくれるわけもないし、もしかして私・・・殺されるのかな・・・・)
「あれ、目覚めちゃった・・・みたいだね?」
サラサラの黒髪男が、笑顔で近づいてくる。
(ひ・・っ・・・・こ、殺される・・・っ)
彼らの素顔は知られていない。
悪事を働く際は必ずマスクをつけて、その素顔を隠している。
(え・・・?ちょっと・・・・この男・・・)
「つうか、俺ら素顔見られちゃまずいんじゃねぇの?」
黒髪ワンレンのロン毛男が、気だるそうにため息を吐き出した。
「あ~あ、連帯責任な。親秋さん戻ってきたら俺ら全員ぶん殴られるぞ。」
「顔を見られたって・・・どうせ殺すんだから、問題ないでしょ。」
彼らの後方で腕組みをした男性が、残酷な言葉を呟く。
深緑色の髪色、眼鏡をかけている彼は、冷酷な殺し屋の目をしている。
メガネの奥の瞳が、冷たく私を見据えていた。
(・・・っていうか、この人たち・・・・)
「千畝さん、俺が間違えて連れてきちゃったんで、責任取ります!」
オレンジ色の髪の少年が、冷酷男に向かって声を張り上げた。
私を誘拐した張本人。会社の前で道を尋ねられたので対応したらこんなことになってしまった。
童顔で、どう見ても10代にしか見えない男。
「俺から親秋さんに説明する。」
オレンジの少年の兄貴分だろうか?
黒髪短髪の強面男が、少年の肩に手を置いた。
(やっぱり・・・・)
私は部屋の中にいる男たちをじっと見つめる。
マスクを外した悪の組織の男たち。その実態は・・・・?
(全員イケメンなんですけど・・・・!?)
揃いも揃って全員が、一度目にしたら絶対に忘れられないようなイケメンだった。
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