【※R-18】とある組織の男全員が私のこと好きなんだけど、逆ハーレム作っちゃっていいですか？

誰がタイプ？

浜名と梶原が眠る同じ部屋で、詠司の指でイかされる。
昨夜ベッドで起きたことが現実だと、私は未だに信じられなかった。

現実とは思えないほど気持ちが良かったから、というのも理由の一つだけれど、それ以上に信じられない理由はこれだ。

詠司が何事もなかったかのように、普段通りに振る舞っているから。


「今から俺と榛名で買い足したいものを調達してくるから、Sと悠人はA地点で待ってて？」

「おう。迷子になるんじゃねーぞ。」

（もしかして一回寝て飽きたから捨てられるパターンのやつ・・・・？いや、まだ寝てないし、そんなわけないよね・・・？）

私は仲 詠司なか えいじという男に翻弄されていた。


彼は距離をとるのが抜群に上手い。
追いかけさせるのが上手いのだ。私のことが好きなのかな？と嬉しく思わせておいて、あれ？私のこと好きなんじゃなかったの・・？と不安にさせる絶妙な駆け引き。バランス感覚。

（そんな分析が出来たって、結局振り回されてるんだから意味ないよね・・・・）

悠人と二人きり。
彼は何度か同じミッションでチームを組んだことがある。何かと気軽に声をかけてくれる。彼とは、それなりに仲が良かった。

「Sってさ、ぶっちゃけ俺たちの中だと誰がタイプなの？」

（突っ込んだこと聞いてきたな。さすが悠人・・・全員好き！じゃ納得しないだろうなぁ・・）

本当は全員同じくらい魅力的だし、全員に同じ愛を振り撒きたい。
せっかくこんなオイシイ状況なんだから、なんならこれが一生涯続いて一妻多夫制の逆ハーレムを作りたい！！って本気で思っている。

「タイプ・・？うーん、どうだろ。みんな魅力的だよね。」

（今は詠司のことで頭がいっぱいなんだけど・・・悠人も少年っぽくて可愛いなぁ・・・）

芝生に寝転んでキラキラした瞳で私を見つめてくる目の前のイケメン。
浜名 悠人は同じクラスにいたら、絶対に誰もが好きになってしまうタイプの男だった。

明るくて人懐っこい。少年みたいに好奇心旺盛で物怖じしない。
感情を直で表現するタイプだから、私に気があるのかも？！なんてモテない女子まで勘違いさせてしまう罪な男。



「昨日のこと、俺と榛名が気付いてないって思ってる？」

ギクリ、と身体が震えた。

（え・・・え・・・？やっぱり気付いてた・・・？！ってことは、全部聞かれてたの・・・！？）

恥ずかしさのあまり赤面する。

（そうだよね、みんな優秀なエージェントなんだから隠し事なんて無理ですよね・・・！恥ずかしすぎる・・・！！）


「Sってエッチの時あんな声で喘ぐんだな。」

（あわわ・・・神様仏様！彼の記憶から私の喘ぎ声を取り除いてください・・・！）

私が目を閉じて額に手を当て、深く後悔している間に、芝生に寝転んでいた悠人はいつの間にか私の目の前にいた。


「すげぇ興奮した。俺の身体でもっとSのこと気持ちよくしたい。」

私の手首をがっしりと掴んで少年らしからぬ笑みを浮かべる悠人に、私の目は釘付けになってしまった。