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初夜の相手

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初夜を共に過ごす運命の相手は、リーダーたちのジャンケンによりあっさりと決められた。
私に選ぶ権利がないというのもまた面白くていい。
自分で決めようと思えば、いつまでも決められないだろうからちょうどよかった。

イケメンがよりどりみどりなこの状況で、たった一人を選ぶなんてことは、足りないこの頭でいかに考えようとも難しい。答えの出ない難問だった。


「たっちゃん・・・」

私の初夜の相手は、水原 拓哉にいつの間にか決定していた。

「M・・・・」

見つめ合う二人。私の運命の相手は、キラキラ王子様系イケメン。どの角度から見ても間違いなくキラキラしているし、どんな国の女性が彼を見たとしても口を揃えてイケメンと言うだろう。国際的にも通用するイケメンだ。

「って、ちょっと待って。まだ俺たちいるからね?」

ダブルベッドの前で見つめ合う私とたっちゃんの間に、特医班(特別医療班)の坂井 夏生さかい なつきが割って入る。

彼は特別医療班の若手で、異端児高野 亮たかの あきらの直属の後輩。
NOと言えないお人好しで、横暴な先輩にいつも使いっ走りにされているかわいそうな後輩だった。
猫目で、顎が隠れるくらいの長さがあるボブヘア。人当たりの良さでは組織内トップクラス。
困った時の坂井頼み、とも言わんばかりにとにかく仕事を頼まれやすい性格をしている。

水原と仲が良いので、上司の高野との間に挟まれていつも大変な思いをしている損な役回りだ。

今回、各班から一人味見をして、次の班に回すというわかりやすいルールが設定された。
私にとっては旨味うまみしかないルールだ・・どんな順番でも毎晩違う男と情事を楽しめることには変わりない。私は終始よだれをたらしっぱなしで生活することになる。

毎晩新しい男が用意される、まさに天国のような状況だった。


一番の班は水原班で、構成員は水原の他に、坂井 、森城、計3人からなる班だ。
森城 冬士もりしろ とうじは、身体能力が高く体力が人並外れている。ドンパチやらなきゃならないミッションの際は必ずオーダーされる脳筋男。運が良くどんな状況でも必ず生き残って帰ってくるラッキーマン。

「俺はいつSとヤレるの?まじで楽しみなんだけど!」

「ちょっと冬士、お前は余計なこと言わないで黙ってて!?」

坂井と森城は同期で昔から仲が良い。二人は水原の意思を押して、一番乗りを譲ったという雰囲気を醸し出していて、それがまた私にはおいしかった。

たっちゃん・・そんなに私の初めての男になりたかったの・・・・?
たまらなくムラムラする・・・・!!

このイケメンが王子顔の下で、私といやらしく交わり合う妄想を繰り広げていると思うとそれだけで絶頂に達してしまいそうなほど私は興奮した。

「ルールはわかってると思うけど、これを必ず使うようにお願いいたします。」

坂井はラブホテルの支配人よろしく大量のコンドームが入った箱を、ベッドのサイドチェストの上へ大袈裟な仕草で置いた。

それを見たたっちゃんが耳まで真っ赤にしているのを盗み見て、私はよだれが溢れてくるのを止められない。


「それでは失礼します。」

「エッチ楽しんでね~。」

「ちょっと、冬士!だからお前は黙ってろって!」

ぎゃあぎゃあと小言を言う坂井と、ニコニコ顔で気にも留めていない森城は、二人で部屋の外へ出て行った。


新婚初夜をお楽しみください。

そう言われた気がして、私とたっちゃんは二人きりのベッドルームで熱い視線を交わし合っていた。



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