【※R-18】片恋偏差値(ミュージシャンX俳優X高校教師)

aika

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『結ばれる夜』(SIDE 雫)

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しずくさん、おいで。」

泰莉たいり君の寝室に、二人きり。
ベッドの端に座り固まっている俺に、彼は手を差し出した。

「大丈夫だって。雫さんが嫌がることは、絶対ぇしないし。」

「そ・・・そうじゃなくて・・・」

「どうした?」

「俺・・緊張して・・・」

彼に触れられると想像しただけで、ドキドキと胸が苦しい。

「安心しろよ。俺もしてっから。」

「え・・?泰莉君が・・・?」

急に抱き寄せられて、心臓が破裂しそうになる。

「すげぇ緊張してる。俺の心臓めちゃくちゃドキドキしてんの、わかんねぇ?」

泰莉君の、心臓の音。
彼の胸にあてた手のひらからドクドクと早い鼓動が伝わってきて、彼も俺と同じなのだとわかる。

「嫌なら今日しなくても良いし、一緒に寝るだけでも、」

「やだ・・、俺・・泰莉君と・・シたい・・・っ」

駄々をこねる子どものように、頑なな言葉が唇から溢れ出す。

「あーもう・・雫さん、いちいち可愛いのやめて。止まんなくなるから。」

パタン、と優しくベッドに押し倒された。
俺を見下ろす泰莉君のかっこよさに見惚れながら、思わず感情が溢れる。

「好き・・・っ・・泰莉君・・好き・・・・」

「雫さん、俺も好きだよ。」

泰莉君とする、何回目のキスだろう。
キスも会話も抱き合った記憶も全部、一生覚えていたい。

心も身体も、満たされる。
彼の舌が俺の舌に熱く絡み、あまりの気持ちよさに身体も思考もとろけだす。


初めて泰莉君に触れられた身体が、俺のものじゃないみたいに興奮しきっていてコントロール出来ない。
俺が痛くないようにと丁寧に解され愛撫される快感に、甘く腰が揺れた。

「あっ・・やだ・・ッ・・」

気を抜くとすぐに射精してしまいそうなほど、俺は興奮している。
ハァハァと、苦しい息遣いが部屋中に響く。

「ぅ・・んぅ・・やだ・・ぁ・・・」

「いいよ、雫さん、」

「やだ・・出ちゃう・・っ・・・」

イク瞬間を泰莉君に見られるなんて、死ぬほど恥ずかしい。
そう思った瞬間、俺は絶頂に達していた。

「ん~~っ・・・!!」

ビクンと大きく震える俺を見て、泰莉君の顔つきが変わる。

「雫さん・・痛かったらすぐ言って?」

散々慣らされ焦らされた内側に、彼が入りこむ。

泰莉君が最奥に届いた瞬間、俺は快感に訳がわからなくなりながら、涙が止まらなかった。

大好きな人と、深く結ばれること。
大好きな人が、俺を大好きでいてくれること。

全ての奇跡が胸に迫って、涙が溢れる。

痛いのかと慌てて腰を引こうとした彼を、ぎゅっと抱きしめて引き止めた。

「泰莉君・・・気持ちイイ・・ッ・・・大好き・・っ」

「雫さん・・・好きだ・・ッ」

何度もお互いの名前を呼びながら、愛を確かめ合う。
俺たちは最高に幸せな初夜を過ごした。

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