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『実る想い』(SIDE 泰莉)
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ベッドに潜り込むと、雫さんは俺にピタリと身体を寄せた。
彼の体温が直に伝わってきて、柄にもなく緊張する。
触れた手の冷たさに驚いて温めようと握ったら、何か言いたげな表情で俺を見上げている彼と目が合った。
「湯冷めしちゃったのかな・・・?」
心臓がドクドクと、うるさい。
誘うように俺を見つめる彼の襟元から綺麗な鎖骨がチラリとのぞいて、理性がぐらりと揺らぐ。
「雫さん、あんた本当に無防備だよな。」
ピカっと白い光がカーテンの向こうから部屋を照らした数秒後、けたたましい雷鳴が響いて彼はビクリと身体を震わす。
白い光の点滅。
その度に、熱い視線が交差した。
雫さんは甘い仕草で指を絡めて、試すように俺を見つめる。
目は口ほどにものを言うとは、こういうことか。
妙に冴え切った頭で、そんなことを考えていた。
身体という境界線を超えて、彼の気持ちが俺の中に入り込んで来る。
心が直に触れ合う感覚。
「泰莉君・・・俺・・・・」
俺の腕をギュッと掴んで、彼が苦しそうに言葉を絞り出した。
「泰莉君が、好きだよ。」
今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる彼の瞳に、感情が一気に湧き上がる。
「俺も、雫さんが好きだ。」
言葉を発する前から、俺たちはきっとお互いの気持ちを理解していた。
答え合わせをするように、愛を告白し合う。
「どうしたらいいかわかんないくらい・・・泰莉君が好き・・・っ」
大雨に遮断された二人きりの世界で、俺たちは初めて唇を重ねた。
彼の体温が直に伝わってきて、柄にもなく緊張する。
触れた手の冷たさに驚いて温めようと握ったら、何か言いたげな表情で俺を見上げている彼と目が合った。
「湯冷めしちゃったのかな・・・?」
心臓がドクドクと、うるさい。
誘うように俺を見つめる彼の襟元から綺麗な鎖骨がチラリとのぞいて、理性がぐらりと揺らぐ。
「雫さん、あんた本当に無防備だよな。」
ピカっと白い光がカーテンの向こうから部屋を照らした数秒後、けたたましい雷鳴が響いて彼はビクリと身体を震わす。
白い光の点滅。
その度に、熱い視線が交差した。
雫さんは甘い仕草で指を絡めて、試すように俺を見つめる。
目は口ほどにものを言うとは、こういうことか。
妙に冴え切った頭で、そんなことを考えていた。
身体という境界線を超えて、彼の気持ちが俺の中に入り込んで来る。
心が直に触れ合う感覚。
「泰莉君・・・俺・・・・」
俺の腕をギュッと掴んで、彼が苦しそうに言葉を絞り出した。
「泰莉君が、好きだよ。」
今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる彼の瞳に、感情が一気に湧き上がる。
「俺も、雫さんが好きだ。」
言葉を発する前から、俺たちはきっとお互いの気持ちを理解していた。
答え合わせをするように、愛を告白し合う。
「どうしたらいいかわかんないくらい・・・泰莉君が好き・・・っ」
大雨に遮断された二人きりの世界で、俺たちは初めて唇を重ねた。
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