179 / 184
『そのままで良い』
しおりを挟む
「繭、カフェに入って少し休憩するか?」
大和、耀亮と共にスポーツイベントにやってきた私は、見学していただけだというのにぐったり疲れてしまった。
長身でガタイが良くどこにいても目立つ、二人の夫。
すれ違う男性たちが振り返って二度見するような、理想的な肉体美。
(大和さんも耀亮君もかっこ良すぎ・・・♡ほんと良い身体してるなぁ・・♡)
迷っていたスポーツウェアを買いに戻った耀亮を見送って、大和と先に二人で店内に入る。
「カフェラテにしようかな、大和さんはコーヒーブラックですよね。」
「繭の好きそうなケーキがあったぞ、食べたらどうだ?」
メニューを開いて提示する彼に、ブンブンと首を横に振る。
「やめておきます・・・!」
先日、陸都に撮ってもらった写真を見て、自分のプヨプヨ加減に思わず絶句した。
比べる女性が居ないにせよブクブクと太り続けては、夫たちの気持ちが離れてしまわないかと急に不安になったのだ。
「イチゴタルトもあるぞ。お前好きだったよな。」
「大和さん・・!私、ダイエットしてるからこれ以上誘惑しないでください・・・!」
「ダイエット?」
「お腹とか二の腕・・プヨプヨしてて流石にまずいかなぁって・・・」
「どこがだ?女は柔らかい方が良いだろ。」
向かい側の席に座る大和が、手を伸ばして私の二の腕に触れる。
「ちょ・・揉むのやめてください・・・!」
人が気にしてるのに・・・と抗議すると、今度はほっぺの肉を摘んだ。
「もう・・大和さん・・・っ?!」
「もう少し太っても良いくらいだと、俺は思うけどな。」
私のほっぺをつまみながらふっと笑った大和の顔があまりに優しくて、それが本心なのだとわかる。
「お前はそのままで十分可愛い。変わる必要なんて全然ないよ。」
(え・・・・大和さんってこんな甘い言葉をくれる人だっけ・・・・?!こんな甘々な大和さん・・・初めて見た気がする・・・・♡)
突然、イケメンの強みを発揮するのはやめてほしい。
眩いばかりのイケメンオーラに、直視できず目を伏せた。
「そんなに気になるなら・・・今夜じっくり見て、俺が確かめてやるよ。」
(な・・っ・・・・!甘々な上に・・・エロ・・・っ・・・・!?)
甘ったるい笑みを浮かべる彼に、返す言葉が出てこない。
パクパクと口を開閉していると、大和が私の頬からパッと手を離した。
彼の視線の先には、戻ってきた耀亮が立っている。
「耀亮、買えたか?」
「買えたっす。」
隣に座った耀亮が、チラリと横目で私を見た。
(み、見られたかな・・・・・?)
ドキドキがおさまらず、顔も赤い。
珍しく甘々な態度で迫る大和のギャップに、私は翻弄されっぱなしだった。
大和、耀亮と共にスポーツイベントにやってきた私は、見学していただけだというのにぐったり疲れてしまった。
長身でガタイが良くどこにいても目立つ、二人の夫。
すれ違う男性たちが振り返って二度見するような、理想的な肉体美。
(大和さんも耀亮君もかっこ良すぎ・・・♡ほんと良い身体してるなぁ・・♡)
迷っていたスポーツウェアを買いに戻った耀亮を見送って、大和と先に二人で店内に入る。
「カフェラテにしようかな、大和さんはコーヒーブラックですよね。」
「繭の好きそうなケーキがあったぞ、食べたらどうだ?」
メニューを開いて提示する彼に、ブンブンと首を横に振る。
「やめておきます・・・!」
先日、陸都に撮ってもらった写真を見て、自分のプヨプヨ加減に思わず絶句した。
比べる女性が居ないにせよブクブクと太り続けては、夫たちの気持ちが離れてしまわないかと急に不安になったのだ。
「イチゴタルトもあるぞ。お前好きだったよな。」
「大和さん・・!私、ダイエットしてるからこれ以上誘惑しないでください・・・!」
「ダイエット?」
「お腹とか二の腕・・プヨプヨしてて流石にまずいかなぁって・・・」
「どこがだ?女は柔らかい方が良いだろ。」
向かい側の席に座る大和が、手を伸ばして私の二の腕に触れる。
「ちょ・・揉むのやめてください・・・!」
人が気にしてるのに・・・と抗議すると、今度はほっぺの肉を摘んだ。
「もう・・大和さん・・・っ?!」
「もう少し太っても良いくらいだと、俺は思うけどな。」
私のほっぺをつまみながらふっと笑った大和の顔があまりに優しくて、それが本心なのだとわかる。
「お前はそのままで十分可愛い。変わる必要なんて全然ないよ。」
(え・・・・大和さんってこんな甘い言葉をくれる人だっけ・・・・?!こんな甘々な大和さん・・・初めて見た気がする・・・・♡)
突然、イケメンの強みを発揮するのはやめてほしい。
眩いばかりのイケメンオーラに、直視できず目を伏せた。
「そんなに気になるなら・・・今夜じっくり見て、俺が確かめてやるよ。」
(な・・っ・・・・!甘々な上に・・・エロ・・・っ・・・・!?)
甘ったるい笑みを浮かべる彼に、返す言葉が出てこない。
パクパクと口を開閉していると、大和が私の頬からパッと手を離した。
彼の視線の先には、戻ってきた耀亮が立っている。
「耀亮、買えたか?」
「買えたっす。」
隣に座った耀亮が、チラリと横目で私を見た。
(み、見られたかな・・・・・?)
ドキドキがおさまらず、顔も赤い。
珍しく甘々な態度で迫る大和のギャップに、私は翻弄されっぱなしだった。
14
お気に入りに追加
775
あなたにおすすめの小説
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
4人の王子に囲まれて
*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。
4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって……
4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー!
鈴木結衣(Yui Suzuki)
高1 156cm 39kg
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。
母の再婚によって4人の義兄ができる。
矢神 琉生(Ryusei yagami)
26歳 178cm
結衣の義兄の長男。
面倒見がよく優しい。
近くのクリニックの先生をしている。
矢神 秀(Shu yagami)
24歳 172cm
結衣の義兄の次男。
優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。
結衣と大雅が通うS高の数学教師。
矢神 瑛斗(Eito yagami)
22歳 177cm
結衣の義兄の三男。
優しいけどちょっぴりSな一面も!?
今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。
矢神 大雅(Taiga yagami)
高3 182cm
結衣の義兄の四男。
学校からも目をつけられているヤンキー。
結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。
*注 医療の知識等はございません。
ご了承くださいませ。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる