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『誰の子・・?!』
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「もう一人の身体じゃないんだし、食べ物にも気をつけないといけませんね。」
夫の律が綾人の妊娠を祝福し、妊夫特別メニューを用意すると言ってくれた。
彼は今妊娠中の譲の食事も担当し、妊活中の蘭や楓の相談にも乗ってくれている。
「そうっすよ。綾人さんコーラとかお菓子とかカップ麺とか、そんなもんばっか食ってるっしょ。」
「寝不足も身体に良くないですし、決まった時間に帰れるようにお仕事調整してもらえたらいいですよね。」
桜雅と雫も参加して、妊夫のための特別講座が始まりそうな雰囲気だ。
「運動不足を解消しておくと、出産が楽になるデータがあるらしい。」
「そうなの?大和・・その話、俺にも詳しく聞かせてくれない?」
子どもはいらないと言っている大和まで会話に入り、雫がその話題に食いついた。
「みんなすごい色々言ってくるじゃん・・・まぁ・・最大限努力します。」
綾人は夫たちの勢いに押されながらも、素直に頷き嬉しそうだ。
(嬉しいけど・・・・本当にどうやって妊娠したの・・・・?)
祝福ムード一色に染まるリビングで、私は一人複雑な心境に陥っている。
夫がどういう経緯で妊娠したのか、本当に心当たりがないのだ。
♢♢♢
「え?どうやって妊娠したか、わからない?」
専門家の彼なら妊娠の原因について納得いく答えをくれるに違いない・・・そう思った私は、スバルさんに相談してみることにした。
「それはあれだよ、混ざり合った体液が、彼の体内に・・・」
「シてないんです・・・」
「え・・・?」
「セックスはしましたが、自然妊娠も試してないですし、慶斗さんに処置も頼んでないんです・・・。来週から妊活しようね、って言っていたところで・・・。でも、妊娠したってことは・・・何かの拍子に彼の体内に入っちゃったってことですよね?」
「意図していないのに妊娠するほど体内の奥深くへ入り込むというのは・・・考えにくいね。」
「え・・・・?そうなんですか・・・?」
(そ・・・そんなぁ・・・・・じゃあ・・・・綾人さんのお腹にいるのって・・・誰の子・・・・?!いや、私の子どもであることは間違いないよね・・綾人さんが浮気なんてするはずないんだし・・・!)
「綾人君に、直接聞いてみたらどうだい?」
「そ・・・そうですよね・・・。」
(それしかないよね・・・・でも・・・なんて聞けばいいの?赤ちゃん・・・どうやってできたんですか?いや変だよね・・・えっと・・・・ぉ・・・)
ああだこうだ考え込むうちに、私の不安はどんどん膨れ上がっていった。
夫の律が綾人の妊娠を祝福し、妊夫特別メニューを用意すると言ってくれた。
彼は今妊娠中の譲の食事も担当し、妊活中の蘭や楓の相談にも乗ってくれている。
「そうっすよ。綾人さんコーラとかお菓子とかカップ麺とか、そんなもんばっか食ってるっしょ。」
「寝不足も身体に良くないですし、決まった時間に帰れるようにお仕事調整してもらえたらいいですよね。」
桜雅と雫も参加して、妊夫のための特別講座が始まりそうな雰囲気だ。
「運動不足を解消しておくと、出産が楽になるデータがあるらしい。」
「そうなの?大和・・その話、俺にも詳しく聞かせてくれない?」
子どもはいらないと言っている大和まで会話に入り、雫がその話題に食いついた。
「みんなすごい色々言ってくるじゃん・・・まぁ・・最大限努力します。」
綾人は夫たちの勢いに押されながらも、素直に頷き嬉しそうだ。
(嬉しいけど・・・・本当にどうやって妊娠したの・・・・?)
祝福ムード一色に染まるリビングで、私は一人複雑な心境に陥っている。
夫がどういう経緯で妊娠したのか、本当に心当たりがないのだ。
♢♢♢
「え?どうやって妊娠したか、わからない?」
専門家の彼なら妊娠の原因について納得いく答えをくれるに違いない・・・そう思った私は、スバルさんに相談してみることにした。
「それはあれだよ、混ざり合った体液が、彼の体内に・・・」
「シてないんです・・・」
「え・・・?」
「セックスはしましたが、自然妊娠も試してないですし、慶斗さんに処置も頼んでないんです・・・。来週から妊活しようね、って言っていたところで・・・。でも、妊娠したってことは・・・何かの拍子に彼の体内に入っちゃったってことですよね?」
「意図していないのに妊娠するほど体内の奥深くへ入り込むというのは・・・考えにくいね。」
「え・・・・?そうなんですか・・・?」
(そ・・・そんなぁ・・・・・じゃあ・・・・綾人さんのお腹にいるのって・・・誰の子・・・・?!いや、私の子どもであることは間違いないよね・・綾人さんが浮気なんてするはずないんだし・・・!)
「綾人君に、直接聞いてみたらどうだい?」
「そ・・・そうですよね・・・。」
(それしかないよね・・・・でも・・・なんて聞けばいいの?赤ちゃん・・・どうやってできたんですか?いや変だよね・・・えっと・・・・ぉ・・・)
ああだこうだ考え込むうちに、私の不安はどんどん膨れ上がっていった。
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