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『すごい身体』
しおりを挟む「耀亮さんの身体って・・・すごいよな。」
上着を脱ぎながらポツリとつぶやいた泉が、意味深な視線で私を見る。
「やっぱ繭さんも、あんなすげぇ身体に抱かれたら興奮すんの?」
「え・・・・?」
年下夫のまっすぐな質問に、私はたじろいだ。
白く透き通った綺麗な肌に、幼さが残る美しい顔。
泉はまだ学生で、とびきり若い。
ポーカーフェイスの彼は、少し冷めたような独特の瞳で私を見ている。
あまり多くを語らず大人びた印象の泉だが、実は誰より純粋で、恥ずかしがり屋だった。
「身体もデカイし、ムキムキだし・・・ア、アレも・・・・すごそうじゃん・・・」
途中から赤面した彼は、たどたどしく言葉を発しながらギュッと目を瞑る。
先日、耀亮と私のベッドシーンを目撃した彼は、色々考え込んでいるようだった。
彼が自分を他の夫と比べるなんて、珍しい。多感な年頃なだけに誤解されるような発言は避けたいと慎重になる。
「泉君とシてる時、私が興奮してるの・・・わからない?」
彼の手を掴んで、自分の胸に導く。
自分の大それた行為に、思わず顔から火が出そうになった。
(わ、わ・・・私、考え無しに何してんの・・??ここから先どうするの・・・?!こんな誘い方、、私にはレベル高すぎでしょ・・・)
見ると、泉が私以上に赤面し耳まで真っ赤に染めている。それを見てほんの少しだけ、冷静になれた。
「いや、、そ、そうじゃなくて・・・」
「泉君とするの・・すごく興奮するし、愛を感じるよ。」
彼が私にとっていかに特別で大切な唯一無二の存在であるかを伝えたくて必死だった。誰と比べるとかではなく、彼の全てがたまらなく大好きだということを。
「愛は・・・自信あるけど・・・繭さんがちゃんと・・気持ちイイかな・・・って・・・心配で・・・」
私と目が合うのも恥ずかしいというように、長いまつ毛を伏せた彼がたまらなく愛おしい。
「すごく気持ちいいよ。泉君のこと、愛してるから。」
「・・・・ッ・・・俺は・・繭さんしか・・知らねぇから・・・経験値ゼロだし・・・、こうして欲しいとかあったら、言ってほしい。」
彼が私の身体しか知らないという事実に、心が満たされていく。
若く美しい夫の肉体、清らかな精神・・・触れられるのは、この世界で私だけなのだ。
「俺も・・・っ・・・」
「え・・・?」
「俺も・・ッ・・・繭のこと・・・あ、・・愛してる・・・ッ」
耳まで真っ赤にして俯く彼が愛おしくてたまらず、ベッドに押し倒す。
二人きりの甘い時間、私にしか見せない彼の表情。
気分が高まった時にだけ、繭と呼び捨てしてくれる彼にときめきながら、唇を重ねる。
私たちは一晩中、初恋のように甘酸っぱく幸せな時間を共有した。
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