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『久々の我が家』
しおりを挟む「耀亮さん!お帰りなさい!」
「リュウキ君、初めまして!」
夫の耀亮が、長い入院生活から家に帰ってきた。
最年少組の樹と泉が率先して、新しい家族を出迎える。
帝王切開の傷の経過と、今後の出産に支障がないか等の検査三昧で、入院が長引いてしまったのだ。
夫たちは退院の日に向けて、サプライズパーティーを準備して張り切っていた。
「お前、随分長かったな。もう帰って来ないかと思ったぜ。」
「久々に見ると、お前の顔でもありがたく感じるもんだな、桜雅。」
「んだよ、会いたくてたまんなかったんじゃねぇの?」
久々に見る、耀亮と桜雅の睨み合い。
喧嘩が始まるかとハラハラしていたら、桜雅が小さく「おかえり」と口にした。
耀亮も「ただいま」と応える。
(夫同士の愛情表現・・・イイ♡美しい・・・・!!泣ける・・!)
子どもが生まれてからというもの、私はすっかり涙もろくなってしまった。
「リュウキって良い名前だよね。耀亮君に似て強い子に育つだろうなぁ。」
子どもたちを寝かしつけた後、パーティの余韻を味わうように大人たちは各々の時間を楽しんでいる。
雫が入れてくれたジャスミンティーを飲みながら、しみじみと語り合う。
「スポーツ万能になりそうだよな。」
ハルをベッドまで運んでくれた大和が、戻ってきた。
「繭、耀亮君そろそろお風呂から上がった頃じゃないかな?温かいお茶淹れるから、部屋まで持って行ってくれる?」
退院したばかりだからと、耀亮は夫たちのススメで一番風呂に案内されていた。
時計を見て雫が提案してくれる。家族の優しさに包まれた、幸せな時間が流れていた。
♢♢♢
「繭・・・どうした?」
部屋のドアを開けた耀亮が、上半身裸で立っていたので驚く。
濡れた髪からは水滴が落ち、まさに「水も滴る良い男」の図が完成していた。
「温かいお茶、雫さんが淹れてくれたよ。耀亮君、そんな格好してちゃ風邪ひいちゃうよ?」
テーブルの上にお茶を置いた瞬間、ぐらりと世界がひっくり返る。
気付くと私は、ベッドに押し倒されていた。
「悪い、繭、、そんな無防備に部屋に入ってこられたら、自制出来ない。」
獲物を捕えるような雄の視線に、ゾクリと背筋が震えた。
「耀亮く・・ん・・」
舌が深く絡み合う。
彼の理性が完全に飛んでいるのがわかって、カッと身体が熱くなった。
荒々しく暴かれ貫かれる快感への期待に、全身の毛が逆立つような興奮が襲う。
妊娠出産明けの、男の身体。
長い間性欲を満たせなかった肉体が解放を求めて、私の上に覆い被さっている。
眩暈がするほど濃厚な、雄のフェロモン。
「繭、お前が欲しくて、おかしくなりそうだった。」
「耀亮・・っ」
一刻も早く繋がりたいと、彼はズボンを下着ごと太ももまでずりおろし、反り立ったペニスを披露する。
(耀亮君の・・・相変わらずスゴイ・・・・ッ・・)
先走りが溢れている彼のペニスは、まさに強靭な男の象徴そのものだった。
♢♢♢
「繭、明日は何か予定あるのか?」
事後のピロートーク。
何度も重ね合い火照った身体は、まだ快感の余韻から冷めない。
耀亮はバッグハグで身体を密着させ、私の耳元で囁くように問いかける。
私しか知らない、彼の甘えモード。
「明日は、夜まで予定ないよ。」
「なぁ、明日の昼も、お前とヤりたい。」
「え・・?」
「こんなんじゃ全然足りねぇ。今夜は・・お前にこれ以上無理させたくねぇから・・明日また抱いていいか?」
言いながらまた硬く反応している下半身が、お尻に当たっている。
夫の際限無い精力に、私は赤面した。
「わがまま言いたくねぇけど・・もっとお前に触れたくて我慢できねぇ。」
耀亮からの熱烈な懇願に、また身体が熱くなる。
「うん。私も耀亮君とイチャイチャしたい。」
「耀亮さん・・・!リュウキにプレゼントがあるんだけど・・・!」
部屋の扉を容赦無く開け放ち、入室してきたのはパーティーを企画した樹だ。
後ろから、同主催者の一人である泉が顔を覗かせる。
「・・・ッ!!あ、、す、すんません・・・・!!」
裸でベッドに横たわる私と耀亮を見て、みるみるうちに赤面した泉は、樹の身体を思い切り引っ張り部屋の外へつまみ出すと、バタン!!と勢いよく扉を閉めた。
「鍵かけんの忘れてた。前にもこんなことあったよな。」
私たちは顔を見合わせ、苦笑し合う。
耀亮は名残惜しそうに私の額にキスを落とすと、Tシャツを身につけ、弟分たちのフォローに慌てて部屋を出て行った。
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