【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

『道ならぬ恋？』

「結婚相手以外の人を好きになってしまったら・・・桜雅おうが君ならどうする？」

部屋に戻ろうと2階に上がったら、とんでもないセリフが聞こえてきて心臓が縮み上がった。
声の出どころを探すと、バルコニーで雫しずくと桜雅が話している。

（これって・・・雫さんとあの綺麗な女性の恋の相談だよね・・・・？！やっぱり二人は恋仲だったんだ・・・・）

「そりゃあもう・・離婚するしかないんじゃねぇの？」

（ちょ・・桜雅君・・・！そんな簡単に「離婚」とか、口にしちゃダメでしょ・・・・！！）

心の中で叫んでも、彼らには届かない。
彼ら二人との関係はギクシャクしたまま、私は未だに何も行動出来ていなかった。

「離婚・・・。桜雅君なら、そうする？」

「本気で好きになったなら・・・まぁ、仕方ねぇよな。」

（離婚が・・仕方ない・・・？！そんな・・・離婚なんてヤダヤダ絶対無理・・・！！）

桜雅が「離婚」という言葉を簡単に口にしたことに、驚く。

（もしかして桜雅君も、、私と離婚したいなんて思ってないよね・・・・？！）

「愛情が簡単に他の人に移るなんて・・・何だか悲しいよね。」

最近雫から「好き」という言葉を聞いていない。
毎日のように愛情表現してくれていた夫が、今や挨拶程度のコミュニケーションにとどまっているのは、やはりそういうことなのだろう。

「身体の関係は？あるのか？」

「うん。」

（う・・・嘘でしょ・・・っ・・・・雫さんとあの女性が・・？）

もしかしたらと思っていたけれど、いざそうなってみると想像以上のショックで思考が追いつかない。

ーードクン・・・・
心臓の音が不穏に鳴り響いて、目の前が暗くなる。

（どうしよう・・・・呼吸が苦しい・・・）

ハァハァ、と薄い空気を何とか吸おうと試みるも、うまくいかない。

（誰か・・・助けて・・・・）

ぐらりと世界が傾き、私はそのまま意識を手放してしまった。