126 / 182
『二人目』
しおりを挟む「僕・・・そろそろ二人目が欲しいなって・・・」
久々に家族でショッピングモールへやってきた私たちは、それぞれが欲しいものを手に入れようと一時解散したところだった。
エスカレーターに乗り込んだ私の袖をちょこんと掴んだ夫の楓が、上目遣いで私を見ている。
(何・・・っ・・・この可愛すぎる生き物・・・っ!?)
『僕、早く繭さんとの赤ちゃんが欲しいです!』
以前このショッピングモールのエスカレーターで、楓にそう言われたことを思い出した。
「・・二人目?」
今夜は楓との久々の当て日だ。
ハルを出産してから子育てに追われがちな私たちだけれど、当て日には他の夫たちが率先して子どもを見ていてくれる。
「僕をまた、妊娠させて欲しいです・・・っ」
まるでデジャヴだ。
エスカレーターに乗っている周りの男性たちが、ギョッとした顔で一斉にこちらに注目する。
こんな可愛いパパは、この世界のどこを探しても他にはいない。
目を潤ませ顔を真っ赤にした楓は、恥ずかしそうに俯いていた。
妊娠出産を経てもなお、夫婦間でこんなにもドキドキして顔を赤らめる瞬間があるのはとても嬉しい。
「もちろん。楓君の身体に負担がかからないか心配だけど、慶斗さんに相談してみよう。」
男性妊娠の技術はまだまだ新しいもので、2人目3人目と出産することで身体にどんな影響が出てくるのか私は心配だった。あまり時間をおかずに2人目を妊娠することが、彼の身体にどんな影響を及ぼすのか。
「それで、今回は・・・自然妊娠したいなって・・・思ってるんです。」
私の反応を伺うようにこちらを見た楓は、目が合うとさらに顔を真っ赤にして目をそらす。
ーーー自然妊娠。
樹と妊活した夜の情景が蘇って、身体が熱くなった。
先日、樹が自然妊娠を目指して妊活しているのだと、他の夫たちに話していたのを思い出す。
自然妊娠の方法について熱弁するその内容はあまりに刺激的で、リビングで堂々と披露するような話ではなかったが・・・。
夫の中に挿入する・・・という行為は、私にとって想像以上に恥ずかしくて興奮する経験だった。
腰を動かすたびに、夫の口から甘い喘ぎ声が溢れ出す。
ペニスには指一本触れていないのに、射精至るほど気持ちイイ行為。
(あれを楓君に・・・するの・・・?!)
純真無垢な楓の身体を開いて挿入し、奥深くに・・・・想像しただけで鼻血が出てしまいそうだ。
「ダメですか・・?」
そんなの良いに決まっている。
私は心の中でガッツポーズを決めながら、夫の要求にすかさずOKサインを出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
718
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる