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『好き』

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「ねぇ、俺とまゆの赤ちゃんって、どんな顔してると思う?」

夫の晴日はるひがベッドに寝転んで難しい本を読みあさっている。今夜も無理かなと諦めて目を閉じた瞬間、そんな言葉が飛んできた。

「え?」

驚いて目を開けると、彼はいつもと全く違う鋭い目つきで私を見下ろしている。


「ハルは、目元がかえでにそっくりで、口とか輪郭は繭に似てるよね。俺と繭の赤ちゃんはどんな顔になるかな?」

語尾を甘ったるく伸ばす、いつもの不思議ちゃん口調はどこへ行ったのだろう?
彼はいつもの癒し系男子の顔ではなく、大人の男の顔をしている。

物理学の研究に没頭している時の顔つきだ。
彼には、二面性がある。


「俺と繭の赤ちゃんの顔、早く見たくなっちゃった。」

両手首を押さえ、私の上に乗った晴日は、知らない男の顔をしている。
彼の上に乗る作戦を立てていたのに、真逆の展開に驚いて固まってしまった。


「晴日・・・君・・・んっ・・・ぅ・・」

唇が、重なる。
深く入り込んできた彼の舌が、私の舌を絡めとり、ねっとりと交わった。

「んんっ・・・あ・・・苦し・・・っ」

息ができない。


「子づくりしようか、繭。」

耳元で名前を呼ばれ、一気に身体が熱くなる。


(晴日君の、こんな声・・・っ・・・聞いたことない・・・・っ)


首すじを、彼の舌がつうぅっとう。

「ぁ・・・あぁっ・・・晴日・・・くん・・っ」

「そんな可愛い声出されたら、我慢できなくなるよ。」

私のパジャマのボタンを外しながら、熱っぽい吐息を吐き出す彼は、ひどく官能的だ。
上半身が露わになると、彼は私の目を見つめたまま、乳首に舌を這わせた。

「んっ・・!あっ・・・気持ちい・・っ」

ジュルジュルと音を立てて、激しく吸い付く。

「俺の可愛い繭・・・大好きだよ。」

彼は息を荒げ、余裕がないのか苦しそうな顔をしている。
下着からペニスを取り出すと、私の入り口にあてがった。

「もう我慢できない。繭と、繋がりたい。」

言葉と同時に、腰がグッと前へ押し出されていく。

「あぁ・・っ晴日・・ぃ・・・すごい・・っ」

大きさと熱さに圧倒され、息を飲む。

「好きだよ、繭・・・っ・・・好き・・っ」

激しいピストンと、甘い言葉。
晴日との初めての交わりで、彼の新しい一面を知る。


私に興味がないと思っていた彼が、初めて「好き」という言葉をくれたことが、何より嬉しかった。


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