【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

『どんな世界だとしても』

夫の煌大こうだいは、一階の一番奥にある大きな部屋を、アトリエとして使っている。
彼の描く世界は、写実的な画風のものから、抽象的なものまで様々だ。

まるで違う人物が描いたのではないかと思うほどに、彼は色々な切り口で世界を見ている。

煌大は紛れもなく、天才だった。


彼が個展のテーマに選んだ「妻」としての私は、一体どんな風に描かれるのだろう？

楽しみでもあり、少し怖くもある。



アトリエの手前には温室があり、花やハーブ、野菜などを育てている。
律りつに頼まれた水やりを終えて廊下に戻ると、奥にあるアトリエの扉がギイと音を立てて開いた。

扉の内側から手招きされて近づくと、部屋の中に引っ張り込まれる。


「こ、煌大君・・・っ？！」

初めて入ったアトリエを見回す暇もなく、ぎゅっと力強く彼に抱きしめられた。
深く情熱的なキス。

「んんっ・・・ぅ」
彼の舌が入り込んできて、私の口内を激しく荒らす。


芸術の香りがする、まるで異世界のような彼のアトリエ。
画集があちこちに積んであり、絵の具やキャンバスが、所狭しと並んでいた。

アンティークのソファー、大きな木のテーブル。
彼の家具選びのセンスの良さは、芸術に疎うとい私にでもわかるほどだった。


「繭まゆ・・シたい、」

興奮しきった彼の荒い呼吸が耳元で繰り返され、ゾクゾクと背筋に快感が走る。


「お前のこと考えながら描いてたら・・・たまらなく欲しくなった。」

描きかけの絵が、イーゼルに立ててある。
描かれているのは、彼の妻である私だ。

実物より何倍にも美化されている気がして、いたたまれない気持ちになった。


「煌大くん・・・っ、」

「繭、しゃぶってくれ、」

もう待てない、と言うように、彼は余裕なく慌てた仕草で、下着ごとズボンを下ろす。
下半身がむき出しになった彼の姿に、私の興奮は一気に高まった。


「すごい・・大きい・・・っ」

一人がけのアンティークのソファーに座った彼は、反り立ったモノを見せつけるように、私の眼前で大きく足を開く。

私は本能に抗えず、彼の熱を口に含んだ。



「あ・・っ・・いいよ・・繭・・・ッ・・・すぐにイキそうだ・・・っ」

舌の動きに合わせて、彼が甘い声をあげる。
高まる快感に、彼の腰が淫らに揺れた。


「もう・・っ、出る・・っ、繭の中で、出したい、」

口を離すように指示した彼は、服を脱がせると、私の身体を持ち上げ膝の上に座らせた。

唾液と先走りでいやらしく濡れた彼のモノが、私の奥深くへ嵌まり込んでいく。


「なぁ、見てみろよ。」

彼の視線の先に目をやると、壁に立てかけられた大きな鏡に、二人のあられもない姿が映り込んでいた。

（煌大君・・鏡越しに見てもやっぱりカッコイイ・・・・♡イケメンすぎる・・・♡）


「あぁ・・っ・・繭の中・・最高だ・・っ」

彼の甘い声が、頭の中いっぱいに広がる。
私はすぐに絶頂を迎えてしまった。


♢♢♢


「繭、愛してる。」

彼は、愛おしくてたまらないという瞳で、私を見つめる。


「煌大君って、愛情深いよね。」

「なんだ、急に。」

普通だろう、と言いながら、彼は私の頭を撫でた。


「こんな世界じゃなかったら、煌大君に愛されることもなかったんだろうなぁ・・。」

出会うことさえ、きっと出来なかっただろう。

彼と私では、明らかに住む世界が違う。
この家で優秀な夫たちと暮らしていると、ふとこんな風に自虐的な気持ちになる瞬間があった。


「お前、まだそんなこと言ってんのかよ。」

ムッとした表情で私を睨にらんだ彼は、次の瞬間には頬を赤く染める。
映画スター並みの色男だというのに、彼の純粋さにはいつも驚く。


「どんな世界だとしても、俺はお前のことだけ愛してる。」

一瞬にして自信家の顔を取り戻した彼に、恐ろしく美しいキメ顔で愛を告げられ、私は赤面した。



「お前の全てを、俺の世界で描きたい。」

こんなキザな台詞、彼じゃなければきっと言えない。
どんなにキザでおかしな言葉でも、彼が言うと魔法の言葉になり、心を鷲掴みにされてしまうのだ。

真っ直ぐな彼の瞳に、私はきっとこれからも何度だって恋に落ちてしまうだろう。


興奮がおさまらない二人は、愛の言葉を囁き合って肌を重ね、その後も長い時間をアトリエで過ごした。