【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

『妻をめぐる争い』

昨夜の大和やまととの初夜について考えながら歯を磨いていると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。
不穏な響きが耳に届いて、心がざわつく。

急いでリビングへ向かうと、夫たちが集まっていた。


「おっと、繭まゆちゃんはここに居た方がいいぜ。」

開け放たれたリビングの扉の前。
桜雅おうがにクイッと腕を引っ張っられ、リビングに入るのを止められた。


「大和・・・お前がそんな最低な男だとは思わなかった。」

「俺の何が最低だって言うんだよ。言いがかりは辞めろ。」

雫しずくと大和が向かい合い、険しい顔で睨にらみ合っていた。


「殴り合いになるかもしれねぇし、危ねぇからここに居ろよ。」

桜雅は私の身体を後ろから包み込み、腕の内側に収めると耳元で囁く。
そんな場合じゃないとわかっているのに、彼の甘い声に身体が熱くなる。

「昨日大丈夫だったのか？雫さん、昨夜はずっと俺の部屋に居たんだぜ。大和と繭ちゃんのことが気になって眠れなかったらしい。」

「そう・・だったんだ・・・」

桜雅と雫は仲が良い。
大和と私が初夜を迎えることに、雫は複雑な心境でいたのだろう。

昨夜の大和を思い出すと、胸がかき乱される。
身体に無理矢理のしかかり、押さえつけた彼のたくましい身体。
威圧的な口調と、愛情が感じられない態度。

怖いけれど、大和のことをもっと知りたい。
そう思う私はおかしいのだろうか？

好きで結婚したわけじゃないと、拒絶の言葉を口にした大和。
彼のことばかり考えている自分がいる。
彼に心の底から愛してもらえる日は、来るだろうか？



「あの女は無理矢理犯されるのが好きなんだよな。雫、お前知らなかったのか？」

「そんなわけない。大和・・お前、繭の嫌がることしてないだろうな？」

雫は普段の口調とまるで別人のような荒々しさで、大和と対峙たいじしている。


「お前なんかに・・繭は絶対渡さない。」

「あの女は俺に惚れてる。戸惑ってるだけだ。雫・・お前にはわかっているはずだ。」

「大和、」

「俺に落とせない女は、いない。」


（ふ・・・二人とも・・・かっこいいです・・・♡）


睨み合う二人のイケメン夫に、私の目はハートマークになっていた。

大和の自信過剰な態度。
イケメンだからこそ、説得力があり堂々としていて魅力的だ。

雫は独占欲丸出しで、大和に敵意を向けている。
温厚で物静かな彼の男らしい姿に、胸が高鳴った。


「繭に必要なのは、本物の愛情だけだ。」

（な、何・・・！？この素敵過ぎる展開・・・？！）

イケメン二人のドラマチックなやり取りに、私は全力でときめいている。


「優しいだけの男じゃ物足りないって言うあの女の気持ち、わかる気がするぜ。」

「繭がそんなこと、言うわけない。」

いつも夫たちに丁寧に扱われているからこそ、大和の乱暴な扱いはひどく新鮮に思えた。
私に対する雫の揺るぎない信頼に、胸が熱くなる。

（イケメンに取り合いされるって、最高・・・・♡）


桜雅の腕の中で、私は歓喜していた。
どちらも私の夫だというのに、二人は私をめぐって争っている。
どんな状況であれ、イケメンに取り合いされるというシチュエーションは幸せだった。