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『妊娠中の性欲』
しおりを挟む桜雅の部屋で散々愛しあった後、裸のままベッドに潜ってウトウトする。
妊娠の影響なのか、最近の桜雅はいつも眠気が強いらしい。
「なぁ、繭・・・俺だけのもんに、なってくれねぇ?」
眠そうな彼が、私の頭を優しく撫でながら、甘い声で囁く。
「お前が他の男と仲良くしてんの見ると、無性にムカつくんだよな。」
感情的になることも多い。
妊娠が身体に与える影響は、想像していたよりもずっと大きい。
ぎゅっと後ろから抱きついてきた彼は、子どもみたいで可愛かった。
♢♢♢
桜雅の変化を、医者である慶斗に相談する。
「妊娠中はホルモンバランスの変化で、性欲が強まったり弱まったり不安定なるんだ。」
「そうなんですね。」
「楓はお腹が膨らんできたし、赤ちゃんが心配だから控えるって言っていたけど、安定期に入ったから、機会があったら繭の方から誘ってあげて。」
妊娠中に愛し合う行為が、桜雅や楓の身体の負担にならないか心配だった。
妊娠が身体に与える影響。
つわりや眠気、感情や性欲の変化にどう対応していくべきか、初めてのことに戸惑う。
楓は赤ちゃんが心配だからと、妊娠してからは当て日を外すように申し出ていた。
彼のお腹に触れたり、軽いハグやキスはしても、お互いの身体を深く求め合うようなことはない。
強まった性欲を一人持て余しているのだとしたら、何とかしてあげたいと思う。
「手か口でシてあげるとか・・セックスするなら体位は気をつけて。お腹に負担がかからないように、後背位でゆっくりするのが良いかな。まだお腹がそんなに大きくないから大丈夫だけど、妊娠後期に入ったらセックスは難しいね。」
淡々とアドバイスしてくれる慶斗の顔を、じっと見る。
「あの・・・慶斗さん、」
「何?」
ソファーに並んで座っている彼が、私の太腿に軽く手を置いた。
彼の表情は、いつもと変わらない。
自分の妻と他の夫のセックスについてアドバイスをする彼は、一体どんな気持ちなのだろう?
雫が大和に対して嫉妬していると聞いてから、夫たちがどんな心境で過ごしているのか気になっていた。
「今みたいな話とか・・・子作りのための処置してくれてる時とか・・・慶斗さんはどんな気持ちなんですか?」
キョトンとした顔でこちらを見ていた彼が、医者の顔のまま苦笑した。
「俺は医者だからね。繭が想像してるほど、嫉妬に心が荒れ狂ってはいないよ。」
揶揄うような視線で私を見て、クスクス笑う。
「処置の時も、実際に繭と他の男が寝ている場面を見てるわけじゃないからね。あまり考えないようにしてるよ。」
いくら家族とはいえ、他の夫と私のベッドシーンを見ることはない。
それでも、直後の現場に入り込むのは、複雑な心境なのではないか。
「医者だから人間の身体は見慣れてるけど、俺だって自分の妻には興奮するよ?」
(そういう意味じゃないんだけど・・・それはそれで嬉しい・・・・♡)
大人の余裕な態度を崩さない彼が、試すような目で私を見た。
「俺が嫉妬に狂っていなくて、残念?」
「そうじゃないですけど・・・本当は苦しかったり辛かったりしたら言って欲しいなって。私、慶斗さんのこと、もっと知りたいんです。慶斗さんの、心も全部・・・」
「繭は、欲張りだね。」
何かを企んでいるような彼の顔。
私の太腿に触れた手が、いやらしく動いた。
ゆっくりと近づいてきた彼の唇が、私の唇に優しく重なる。
「楓にシてあげる前に、俺で練習してみる?」
彼は自分の下半身へ、私の手を導いた。
「硬い・・・・」
彼の中心は硬く勃ち上がっている。
私が触れた瞬間、彼の口から甘い吐息が漏れた。
「まずはその可愛い口で、愛してみて。」
耳元に彼の唇が近づいてきて、吐息がかかる。
それだけで私は激しく興奮してしまった。
(慶斗さん・・・エロすぎる・・・♡)
服の上からでも見てとれる、彼の興奮。
私はソファの前に跪いて、彼がベルトを外すのをじっと見つめていた。
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