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『新しい夫』
しおりを挟む最近新しい夫が、数人引っ越してきた。
その中の一人、パティシエの蘭は、おっとりとした印象の物静かな男性で、とても幼い顔立ちをしている。
24歳と聞くまでは、樹や泉たちと同じ10代なのかと勝手に思っていた。
ベージュの髪色が、さらに彼の童顔を際立たせている。
ふわふわとしたフェアリーパーマが、とても似合っていて可愛らしい彼の雰囲気にぴったりだった。
「繭さん、今夜はよろしくお願いします。」
顔を赤らめてベッドに正座した彼は、緊張で身体が震えている。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
彼は極度の恥ずかしがり屋で、人見知り。
他の夫たちと話している時も、未だ緊張しているようだった。
「んんんッ・・あッ、繭さぁん・・・」
甘ったるい声が、室内に響き渡る。
蘭はとても感じやすいらしい。
まだキスしかしていないのに、もはや抱き合って繋がっているかのような喘ぎ声。
(なんか・・・興奮しちゃう・・・蘭くんの声・・・可愛い・・・・♡)
初めて会った時、蘭は一刻も早く子どもを産みたいのだと、私に言った。
すぐにでも妊娠したいという彼の希望もあって、当て日の調整をし直してもらい、まだお互いのことをあまり知らないままのベッドイン。
「あ・・・っ、繭さ・・んっ・・・入っちゃう・・・っんぁ・・・ッ」
挿入時、彼は身体をピクピク振るわせながら声をあげた。
彼の上に乗り、ゆっくりと腰を沈めていく。
まるで彼を犯しているような気分だ。
可愛い声で喘ぐ彼に、初めて感じるタイプの興奮を覚える。
可愛い夫の顔を見下ろしながら、腰を上下に振る。
蘭はベッドに横たわって、下半身に与えられる快感に身を震わせていた。
シーツをぎゅっと掴んで、快感に声を上げる。
「繭さぁん・・・ッ、僕もう・ッ・・う~ッ、イッちゃいます・・ッあ・・」
「蘭君・・っ・・いいよ・・奥に出して・・・っ」
「う~っあ~ッ、出るぅ・・ッ僕もうダメェ・・ああぁっ!!」
一番深く挿し込んだところで、彼の体が思い切りビクンビクンと跳ね上がった。
彼は真っ赤な顔で、うるうると瞳を潤ませ私を見上げている。
(か、可愛い・・・なんだか新しい扉開いちゃいそう・・・)
夫のあまりの可愛さに、イケナイ好奇心が込み上げてくる。
彼をもっと感じさせていじめてみたいという歪んだ欲望を、私は慌てて打ち消した。
♢♢♢
「そうそう、蘭、もう少し力抜いて。」
「あ・・ッ・・慶斗さん・・っ・・・うぅっ・・んん」
妊娠を希望している蘭のために、慶斗が処置している。
私は二人の声を、布団に潜って聞いていた。
「上手だよ、ゆっくり入れるから、そのまま力抜いてて。」
「んんぅ・・ッ・・あぁ・・っ」
声だけ聞いていると、ものすごくいかがわしいことが行われているようで、思わず興奮してしまった。
医師とはいえ、他の夫を妊娠させるために処置をしている慶斗は、一体どんな気持ちなのだろう。
気になって仕方ない。
「赤ちゃんが来てくれますように。」
蘭はお腹を撫でながら、にっこりと私を見る。
その夜は、蘭と手を繋いで眠った。
彼の喘ぎ声が、頭から離れない。
私はしばらく悶々として、なかなか寝付けなかった。
♢♢♢
翌朝、すっかり寝坊してしまった私が、慌ててリビングに降りると、夫たちは皆出かけた後だった。
(はぁ・・・妻失格だわ、私・・・)
「繭ちゃん、おはよう。寝不足かぁ?」
ソファーに腰掛けた私の頭をポンと撫で、桜雅が隣に座る。
「おはよう。桜雅君。」
「眠そうだな。なに、蘭ってそんな激しいの?ああ見えて・・意外だな。」
「ちが・・・・そうじゃないけど・・・」
いつも通りの桜雅の直球さに、赤面する。
「繭ちゃんのその顔、俺好きなんだよなぁ。」
手首を取られて、ソファーに押し倒された。
「恥ずかしがってる顔?そんないやらしい顔して、俺のこと誘ってんの?」
「お・・桜雅君・・・」
太ももの間に、彼の身体が入り込む。
足を持ち上げられて、彼の下半身が秘部に押し当てられた。
「ちょっとお前やめて、桜雅。朝から、刺激強すぎ。」
綾人が、リビングに入ってくる。
目が合って、私の胸は一気にドキドキと高鳴った。
(寝起きから王子様みたい・・♡キラキラの綾人さん・・・素敵・・・・♡)
「綾人さん、珍しいっすね。こんな時間に家にいるの。」
「今日、当て日だから、体力温存。桜雅、今夜繭は俺だけの奥さんだから、勝手に触んな。」
綾人さんが、私の手をとって立ち上がらせると、腰に腕を回す。
「えっ、あ、あの・・・っ」
至近距離に迫る綾人さんに、緊張して手が震えてしまった。
「今夜はよろしくね、俺の奥さん。」
今までずっと夜の営みを拒んでいた、綾人の豹変ぶり。
王子様スマイルで見つめられて、私はただ見惚れるしか出来なかった。
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