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セフレ卒業
しおりを挟む俺の想い人・・獅堂 櫂莉は、誰もが振り返る超絶イケメン。
顔は小さく、手足は長い。
その上、「アレ」もすごい。
「なぁ、壮馬・・・やっぱお前の中・・・すげーイイ。」
「あ・・・あぁ・・・ッ・・・櫂莉さん・・・っ。」
ーーーパンパンパン。
お互いの皮膚がぶつかり合う、乾いた音が
静かな部屋に、響き渡る。
彼は俺の中で果てる前、ラストスパートの一番激しいピストンの瞬間、必ず甘い言葉をくれる。
「あ~・・・イイ・・・壮馬・・・奥に出すぞ・・・!」
最奥を何度も強くノックされて、櫂莉さんのエロイ声を耳元で聞きながら、俺は絶頂を迎えた。
「櫂莉さん・・っ・・・・好き・・・っ・・・あ・・イク・・・っ!!」
後に残るのは気怠さと、ほんの少しの後悔。
そう、俺はいわゆるセフレというやつだ。
ハァハァと昂った呼吸が落ち着くと、彼は優しく俺の頭を撫でる。
「壮馬・・お前とヤるのが、一番気持ちイイ。」
目力があってヤンチャな印象の強い櫂莉さんが、イッたばかりの掠れた声で甘く囁く。
(やっば・・・!えっろ・・・・!!俺の櫂莉さん・・・エッロ・・・・!!)
こんなの反則じゃないか?
嫌いになれるわけがない。
彼に抱かれるたびに、毎回思う。
俺、神原 壮馬は、医学部時代からの先輩、獅堂 櫂莉を一途に想っている。
一途に想うあまり、その感情を拗らせすぎて、どうしたらいいかわからないところまで来てしまった。
櫂莉さんは、心臓外科医の若手NO1。
肩まで伸ばした茶色のワンレンヘアが良く似合う、高身長の色男。
生まれながらのモテ男で、遊び人。
気まぐれな性格の彼に、俺はいつも振り回されてばかりいる。
俺はこの最強チートの「セフレ」にすぎない。
彼は時々ふらりと俺の部屋に来て、俺の中に好きなだけ出し終わったら、あっさり帰っていく。
櫂莉さんは、俺の性格を知り尽くしている。
都合良く扱われているだけだとわかっているのに、離れられない。
「壮馬、お前といると、すげぇ落ち着く。」
「櫂莉さん・・・」
事後に甘い言葉をかけられたら、嬉しくて涙が出そうになる。
ちょろいなと毎回自分でも思うけれど、彼が訪ねてくると嬉しくてつい部屋に入れてしまうのだ。
彼にとってはただの暇つぶし。
俺は、他に誰も捕まらない時専用の、補欠要員。
こんな関係に終わりを告げたい。
(目指せ!セフレ卒業・・・・!!!)
櫂莉さんを諦めるなんて出来そうにないから、俺はこの最強チートキャラ獅堂櫂莉を手にいれるべく、動き出そうと決意した。
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