14 / 28
〜〜央クラス〜〜 浅葱の場合 『妊娠』
しおりを挟む「俺、妊娠したんだ。」
音弥の妊娠報告を聞いた時、一瞬で頭が真っ白になった。
「昨日の検査でわかったんだけど、央先生に報告したらすげー喜んでくれて。」
嬉しそうな音弥の顔。
可愛くて素直で、誰よりも頑張り屋だって俺は知ってる。
それなのに。
なんでこんなに苦しいんだよ。
逆の立場だったら、音弥は絶対喜んで俺を祝福してくれる。
自分のことみたいに喜んで、涙さえ流すかもしれない。
でも俺は、そんなこと出来そうになかった。
♢♢♢
「どうしたの?こんな時間に。」
「静華さん、俺・・・」
深夜、診察室で書類に向かっている静華さんを訪ねると、彼は俺が来るのをわかっていたというように優しく出迎えてくれた。
「わかってるよ。浅葱の気持ちは。」
俺の心を全て見透かすように、彼は妖艶な笑みを浮かべる。
「浅葱が早く妊娠できるように、僕が特別な治療をしてあげるよ。」
「静華さ・・ん・・・」
「央先生にも、みんなにも、内緒でね・・・?」
同じ男とは思えないほどに、静華さんはいつも美しかった。
彼に触れられていると、女性に襲われているような気分になって、落ち着かない。
これから他のクラスメイトたちも、どんどん妊娠していくだろう。
どうやったって央先生の子どもを、音弥より先に産むことは出来ない。
俺は央先生の子どもが欲しいだけじゃなくて、一番に彼の子どもを身籠りたかったんだと気付く。
「浅葱が嫉妬に苦しんでる姿・・・最高にソソるよ。」
「静華さん・・・」
「僕の可愛い浅葱・・・。央じゃなくて、僕が君を孕ませられたらどんなに良いだろう。」
冗談を言うような口調だけれど、静華さんの目を見てはっきりとわかった。
彼は、本気だ。
背筋がすぅっと冷たくなる。
「央がもっと君を愛するようにしてあげるよ。」
彼が白衣を脱いで、診察台に俺を押し倒す。
俺の首筋に、彼の冷たい唇が触れた。
キュッと強く吸われた肌に、赤い痕が残る。
「綺麗だよ、浅葱・・・」
本当に欲しいもののためなら、俺はなんだって出来る。
そう自分に言い聞かせていた。
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる