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music.18 恋人(SIDE 陸)
しおりを挟む自分にこんな強引な一面があるなんて、知らなかった。
三幸の特別にして欲しくて、駄々をこねる子どものように縋り付く。
「あ・・・・・うぅ・・っ・・・」
自分でも触れたことの無い場所に、彼が触れる。
指が中に入ってきて、異物感に身体が震えた。
大人になりたい。
いつも子ども扱いしてくる彼の、隣に並びたい。
きちんと俺を、見て欲しい。
四つん這いになって、彼に恥ずかしいところを全て曝け出している。
こんな羞恥心は、初めてだった。
ドジで単純な俺は、今まで何度も恥かいてきたけど、こんな感覚は味わったことがない。
恥ずかしいけれど、彼が俺に触れてくれることが、たまらなく嬉しかった。
三幸の指で散々中を掻き回されて、俺は何度もイッてしまった。
初めての経験。気持ち良すぎて、いつの間にか俺は意識を失っていた。
♢♢♢♢
「・・・あ・れ・・・・っ・・・?」
陽の光が、目に眩しい。
カーテンの隙間から溢れる朝の光に、俺は目を覚ました。
「おはよう。」
隣に寝転んだ三幸が、至近距離で俺を見つめている。
「おわ・・っ!び・・びっくりした・・・ぁ・・・」
朝から心臓に悪い、彼の美しい笑顔。
裸で寝ている彼は、透き通るような白い肌を惜しげもなく晒している。
「あれ・・昨日・・・」
最後までやってない。記憶がない。
何度も三幸の手でイかされた俺は、寝落ちしてしまったらしい。
「なぁ、そんな焦らなくていいって。」
俺の髪をかき上げるように、彼は優しく頭を撫でる。
「責任なら、ちゃんと取ってやるよ。」
「え・・それって・・・」
彼はプロデューサーやってる時とは全然違う、別人のような顔で微笑んだ。
心臓が、ドクン、ドクン、と、うるさく音をたてる。
「お前を俺の恋人にしてやるって、そういう意味。」
俺は三幸の綺麗な笑顔にボーッと見惚れてしまい、しばらくその場から動けなかった。
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