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鬼畜野郎
しおりを挟む「ミ・・ミノアさん・・・・」
スメラギ公爵は、急に距離を詰めたミノアに驚いて身をひいた。
(彼のこういうウブなところがたまらなく魅力的なのよね・・・・♡)
身分が違うミノア相手でも、彼はとても紳士的だ。
相手が誰であっても態度を変えることなく人に接する彼の人柄。
なかなか首を縦に振らないミノアに怒ることなく、彼は誠実な対応を重ねていた。
(お預けを食らっても、黙って時を待てる男性って素敵だわ・・・♡)
「私・・・あなたのことが・・・・」
彼の太ももにミノアの指が触れる瞬間、アーサーがワインのボトルを手に戻ってくる。
「ワイン、これでいいですか?兄さん、好きでしたよね。」
(この男・・・どこまでも私の邪魔をする気ね・・・)
ニヤリ、と意地悪な笑みを浮かべるアーサーは、とても彼の弟とは思えない。
彼の手のひらの上で転がされていることを自覚して、ミノアは怒りに震える手のひらをぎゅっと握り込んだ。
「それにしても良いヨットだね。アーサー、君は本当に趣味がいい。」
スメラギ公爵はソファーから立ち上がると、船内をあちこち見回す。
「奥にはベッドもあるんですよ。」
ベッド、というアーサーの言葉に、ミノアはギクリと身体が震える。
あの日の興奮が身体に蘇ったように全身が熱くなった。
奥のベッドで初めてアーサーと抱き合った。あの熱い交わりの記憶。
たまらない快感。雌として、彼に身体を捧げる快楽に狂っていたあの日。
「どうしました?顔色が悪いですよ?」
ミノアの肩に手を置いて、アーサーは囁く。
スメラギ公爵に見えないように、彼はミノアのお尻を撫でた。
「まさかあのベッドで僕たちがヤりまくったなんて・・兄さんは夢にも思わないでしょうね。」
(この・・・鬼畜野郎・・・っ!)
ミノアは何も言い返せず、拳を握って怒りを抑えるしかなかった。
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