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『浮気と本気』(SIDE 野池 智彌)
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「瀬戸先生と、寝ても良いです。」
「はぁ?」
「俺、愛さんと瀬戸先生が仲悪いのずっと嫌だったんですよね。」
「はぁ・・あのな智彌、仲良い悪いの話じゃないんだ、瀬戸と寝たのは、」
愛さんは深くため息を吐き出して、俺が何も理解していないのだと怪訝な顔をする。
「俺、愛さんのこと好きです。愛してます。けど・・・俺は、愛さんに抱かれたい。」
「智彌、」
愛さんは、俺のことを子ども扱いする。
そんなことないって否定するけど、俺はいつもそう感じていた。
「愛さんを抱くのは・・・俺には出来ません。」
愛さんに初めて抱かれてから数ヶ月は、もう男に戻れないかもという不安が付き纏っていた。
深く貫かれる感覚や、後ろでイク気持ちよさを知ってしまって、ペニスの刺激だけではイけない体になってしまったのだ。
不安を払拭してくれたのは、他でもない愛さんだった。
彼が本気で俺を愛してくれているとわかって、もう俺がこの人生で他の人とセックスすることは無いと確信したから。
「瀬戸先生に抱かれて・・・気持ちよかったですか?」
「智彌、あのな、」
「妬いてるわけじゃないんです、後ろでイクの・・・すごくイイから・・またシたくなる気持ちもわかるし・・・。」
瀬戸先生は、特別な人だ。
愛さんがあんな風にむき出しの感情をぶつける相手は、俺以外に彼しかいない。
俺は・・愛さんが瀬戸先生に本気になって、いつか捨てられるのが怖かった。
「瀬戸先生に抱かれるのは許します。でも、俺以外・・・誰も抱かないでくれますか・・・?」
「智彌、俺は浮気したんだぞ。お前のことを愛しているのに、瀬戸に身体を許した。」
「許したんじゃない。無理矢理されたって、言ってたじゃないですか。」
瀬戸先生が俺に話してくれた言葉を思い出す。
嫌がる愛さんを無理やり貫いたと、真っ直ぐに俺の目を見て謝罪した彼の本気の瞳。
彼が俺と同じ気持ちなのだと、痛いほどにわかってしまった。
「それでも、俺はお前を裏切った。」
「俺は、愛さんが俺のことをずっと好きでいてくれるなら、それで良いんです。」
「智彌、」
「それとも、もう好きじゃないですか・・・?」
「好きに決まってる・・・だからこそ、俺は自分が許せないんだ・・・」
触れるのを我慢していた愛さんが、たまらないという表情で俺を抱き寄せた。
「俺・・本当に怒ってないんです。愛さんが俺を愛してくれてるっていう事実だけで十分だって・・本気で思ってます。」
「智彌・・俺が愛しているのはお前だけだ。お前がいればそれでいい。」
愛さんの言葉に、嘘はない。
彼が一生そばにいてくれるのなら・・俺はどんな状況になっても構わないと、本気でそう思っていた。
「はぁ?」
「俺、愛さんと瀬戸先生が仲悪いのずっと嫌だったんですよね。」
「はぁ・・あのな智彌、仲良い悪いの話じゃないんだ、瀬戸と寝たのは、」
愛さんは深くため息を吐き出して、俺が何も理解していないのだと怪訝な顔をする。
「俺、愛さんのこと好きです。愛してます。けど・・・俺は、愛さんに抱かれたい。」
「智彌、」
愛さんは、俺のことを子ども扱いする。
そんなことないって否定するけど、俺はいつもそう感じていた。
「愛さんを抱くのは・・・俺には出来ません。」
愛さんに初めて抱かれてから数ヶ月は、もう男に戻れないかもという不安が付き纏っていた。
深く貫かれる感覚や、後ろでイク気持ちよさを知ってしまって、ペニスの刺激だけではイけない体になってしまったのだ。
不安を払拭してくれたのは、他でもない愛さんだった。
彼が本気で俺を愛してくれているとわかって、もう俺がこの人生で他の人とセックスすることは無いと確信したから。
「瀬戸先生に抱かれて・・・気持ちよかったですか?」
「智彌、あのな、」
「妬いてるわけじゃないんです、後ろでイクの・・・すごくイイから・・またシたくなる気持ちもわかるし・・・。」
瀬戸先生は、特別な人だ。
愛さんがあんな風にむき出しの感情をぶつける相手は、俺以外に彼しかいない。
俺は・・愛さんが瀬戸先生に本気になって、いつか捨てられるのが怖かった。
「瀬戸先生に抱かれるのは許します。でも、俺以外・・・誰も抱かないでくれますか・・・?」
「智彌、俺は浮気したんだぞ。お前のことを愛しているのに、瀬戸に身体を許した。」
「許したんじゃない。無理矢理されたって、言ってたじゃないですか。」
瀬戸先生が俺に話してくれた言葉を思い出す。
嫌がる愛さんを無理やり貫いたと、真っ直ぐに俺の目を見て謝罪した彼の本気の瞳。
彼が俺と同じ気持ちなのだと、痛いほどにわかってしまった。
「それでも、俺はお前を裏切った。」
「俺は、愛さんが俺のことをずっと好きでいてくれるなら、それで良いんです。」
「智彌、」
「それとも、もう好きじゃないですか・・・?」
「好きに決まってる・・・だからこそ、俺は自分が許せないんだ・・・」
触れるのを我慢していた愛さんが、たまらないという表情で俺を抱き寄せた。
「俺・・本当に怒ってないんです。愛さんが俺を愛してくれてるっていう事実だけで十分だって・・本気で思ってます。」
「智彌・・俺が愛しているのはお前だけだ。お前がいればそれでいい。」
愛さんの言葉に、嘘はない。
彼が一生そばにいてくれるのなら・・俺はどんな状況になっても構わないと、本気でそう思っていた。
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