44 / 67
『一夜の過ち』(SIDE 鶴屋 高貴)
しおりを挟む~~~~登場人物~~~~
♡鶴屋 高貴(つるや こうき) 34歳
小児科の医師。ピョンピョンと外側に跳ねたカールした毛先が特徴。少し長めのオレンジ色の髪にピアス
明るくて爽やかなイケメンなのでモテモテ。冬紀のことが好きだが、後輩の由と関係を持ったことを知りショックを受ける。
♡三条 冬紀(さんじょう ふゆき) 34歳
鶴屋医師とは小学校からの同級生で、医学部同期。
無表情で無口。淡々と喋る。
子ども相手にもにこりともしないポーカーフェイス。人間らしい表情や感情表現は誰も見たことがない。いつも冷静で、素早い診断と的確な治療で信頼されている小児科医。
♡小椋 由(おぐら ゆう) 26歳
赤い髪、短髪、スポーツ万能。
単細胞で人懐っこい後輩キャラの医師。先輩医師の鶴屋と三条の二人に教育されながら、小児科医として日々奮闘している新米。冬紀に片思いをしている。
♡赤原 冬樹(あかはら ふゆき) 36歳
冬紀、高貴の大学時代の先輩。優秀な小児科医で海外に新技術を学びに行っていた。
黒髪ロン毛、派手でナンパな性格。女遊びも激しくモラルに欠ける。
高貴のことが気に入っていて、ちょっかいをかけるしつこい男。
~~~~~~~~~~~~
『一夜の過ち』(SIDE 鶴屋 高貴)
長年片想いしてきた冬紀が、後輩の由と関係を持ったことに、俺は自分でも驚くほどショックを受けていた。
「高貴、赤原と二人で飲みに行くなんて、どういうつもりなんだ?」
「久々に先輩と会ったんだ。一緒に飲みに行って何が悪い?」
「俺も行く。」
冬紀が俺の腕を掴んで、真剣な顔でこちらを見たので、俺はたまらない気持ちになった。
「もう放っておいてくれよ・・・!!」
由を抱いた、彼の腕。
触られたくなかった。
思い切り手を振り解く。
「高貴、行くな。」
振り解いたのに、彼はまた俺の腕を掴む。
「痛い・・・離せよ・・・・」
冬紀のこの顔に、俺は弱い。
由と付き合うことを選んだくせに、どうして俺に構うんだ。
「三条先生、鶴屋先生・・・?どうしたんですか?」
廊下で言い合っていたら、由が何事かと部屋から出てきた。
惨めな気持ちでいっぱいになる。
ずっと好きだった男を、後輩に取られた。
俺は自分でも信じられないくらいに、傷ついていてボロボロになっている。
冬紀に嘘をついて、彼の気持ちを試そうとしたバチが当たったんだと思った。
「由、ゴメンな。俺は出かけるから、コイツはお前がなんとかしてくれよ。」
「え・・?鶴屋先輩・・?」
彼の手を振り解いて、背を向けると冬紀が俺の名前を叫んだ。
「高貴・・!」
後ろで二人が話しているのが聞こえて、俺は逃げるようにその場を立ち去った。
何度も冬紀から着信があるけれど、全て無視して電源を切る。
彼が居ないとこんなにも自暴自棄になってしまう自分が怖かった。
「高貴、お前どうしたんだよ?大丈夫か?」
飲み過ぎてフラフラになった俺を、赤原は優しく介抱してくれる。
誰かの優しさに縋りつきたい気持ちだった。
♢♢♢♢
目覚まし時計の音に、目を開ける。
俺の隣には、裸の赤原 冬樹が眠っていた。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
絶対服従執事養成所〜君に届けたいCommand〜
ひきこ
BL
少数のDomが社会を支配する世界。
Subと診断された者にはDomに仕える執事となるため英才教育が施され、衣食住が保証され幸せに暮らす……と言われているのは表向きで、その実態は特殊な措置によりDomに尽くすべき存在に作り変えられる。
Subの少年ルカも執事になるほかなかったが、当然そこには人権など存在しなかった。
やがてボロボロに使い捨てられたルカと、彼のことをずっと気にかけていた青年との初恋と溺愛とすれ違い(ハッピーエンド)。
◆Dom/Subユニバース設定の世界観をお借りしたほぼ独自設定のため、あまり詳しくなくても雰囲気で読んでいただけるかと思います。ハードなSM的描写はありません。
◆直接的な描写はありませんが、受け・攻め どちらも過去にメイン相手以外との関係があります。
◆他サイト掲載作に全話加筆修正しています。
※サブタイトルは試験的に付けており、変更の可能性があります
※表紙画像はフリー素材サイトぴよたそ様よりお借りしています

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる