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『手術の跡』(SIDE 朝萩 千秋)
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~~~~登場人物~~~~
♡朝萩 千秋(あさはぎ ちあき)33歳
消化器外科医。
サラサラのロングヘア 。後ろ姿は女性に見えるのでよく間違われる。
女性のような可愛らしい顔立ち。
双子の姉がおり、他病院で医者をしている。
♡白河 傑(しらかわ すぐる) 33歳
皮膚科医。サラサラの黒髪。黒縁メガネ。
日常会話はほとんどしないが、仕事の話となると饒舌。
生検好き。
病理検査技師の鮎原と仲が良く、皮膚科にいないときは病理検査室にいる。
♡鮎原 恵巳(あゆはら めぐみ)29歳
病理検査技師。皮膚科の白河をセンパイと呼んでいるが、タメ口。
日焼けした肌、分厚い二重瞼。エキゾチックな雰囲気の男。
深い茶色の髪色。
白河とは恋人同士だと噂されている。
淡々と喋り、ポーカーフェイス。
~~~~~~~~~~~
「あれ、白河。お疲れ様。」
病理検査室に言って鮎川と話していたら、白河が入室してきた。
もうそんな時間か、と時計を見る。
白河は仕事がひと段落着くと、毎日ここへ恋人の鮎川に会いに来るらしい。
水樹が言っていたことは、本当だったみたいだ。
「朝萩、お疲れ。」
彼は僕にそう言うと、恋人にアイコンタクトする。
別に二人のことを邪魔するつもりはないけれど、久々に白河の顔が見れて嬉しかった。
ちょうど鮎川との話も済んだし、白河にときめいてしまう前に二人に声をかけて部屋を後にする。
彼に手術してもらってから僕は変だった。
「手術」と言うのは消化器外科医の僕にとってとても身近なものだし、特別心に留めておくような出来事ではなかったはずなのに。
僕はおそらく白河が好きなのだろうと自覚してから、彼に関わるのが少し怖かった。
「朝萩!」
病理検査室から出てきた白河に呼び止められて、振り返る。
「白河、どうしたの?」
努めてそっけなく答えた。同期の医者を好きになってしまったなんて、ややこしい感情に振り回されるのはごめんだ。しかも手術がきっかけでなんて、医者らしいのからしくないのかわからない。
「この前の傷、見せてくれないか?」
♢♢♢
抜糸して以来、傷は彼に診せていない。
消化器外科外来の診察室で、上着を脱ぐ。
自分の診察室に彼がいることが新鮮で、妙に緊張した。
白河の真剣な目。この目に僕は弱い。
手術中の彼の視線を思い出す。
トクン、トクンと自分の心臓の音が聞こえていた。
「大丈夫そうだな。」
俺の胸の傷痕を、白河の長い指がなぞる。
ゾクゾクと身体が震えた。
この傷痕を見るたびに、彼を思い出す。
彼に触れられている部分が、ジンと熱を持っていくのがわかった。
「・・・綺麗に治ってきたよ。」
彼の視線。
その中に意味深なものを感じるのは、僕の願望のせいだろうか?
「朝萩・・・綺麗だ・・・・。」
白河は、傷痕に口付けた。
「・・・ん・・・ッ・・・」
不思議と全然驚きはない。
彼の唇にゾクゾクして、変な声をあげてしまった。
♡朝萩 千秋(あさはぎ ちあき)33歳
消化器外科医。
サラサラのロングヘア 。後ろ姿は女性に見えるのでよく間違われる。
女性のような可愛らしい顔立ち。
双子の姉がおり、他病院で医者をしている。
♡白河 傑(しらかわ すぐる) 33歳
皮膚科医。サラサラの黒髪。黒縁メガネ。
日常会話はほとんどしないが、仕事の話となると饒舌。
生検好き。
病理検査技師の鮎原と仲が良く、皮膚科にいないときは病理検査室にいる。
♡鮎原 恵巳(あゆはら めぐみ)29歳
病理検査技師。皮膚科の白河をセンパイと呼んでいるが、タメ口。
日焼けした肌、分厚い二重瞼。エキゾチックな雰囲気の男。
深い茶色の髪色。
白河とは恋人同士だと噂されている。
淡々と喋り、ポーカーフェイス。
~~~~~~~~~~~
「あれ、白河。お疲れ様。」
病理検査室に言って鮎川と話していたら、白河が入室してきた。
もうそんな時間か、と時計を見る。
白河は仕事がひと段落着くと、毎日ここへ恋人の鮎川に会いに来るらしい。
水樹が言っていたことは、本当だったみたいだ。
「朝萩、お疲れ。」
彼は僕にそう言うと、恋人にアイコンタクトする。
別に二人のことを邪魔するつもりはないけれど、久々に白河の顔が見れて嬉しかった。
ちょうど鮎川との話も済んだし、白河にときめいてしまう前に二人に声をかけて部屋を後にする。
彼に手術してもらってから僕は変だった。
「手術」と言うのは消化器外科医の僕にとってとても身近なものだし、特別心に留めておくような出来事ではなかったはずなのに。
僕はおそらく白河が好きなのだろうと自覚してから、彼に関わるのが少し怖かった。
「朝萩!」
病理検査室から出てきた白河に呼び止められて、振り返る。
「白河、どうしたの?」
努めてそっけなく答えた。同期の医者を好きになってしまったなんて、ややこしい感情に振り回されるのはごめんだ。しかも手術がきっかけでなんて、医者らしいのからしくないのかわからない。
「この前の傷、見せてくれないか?」
♢♢♢
抜糸して以来、傷は彼に診せていない。
消化器外科外来の診察室で、上着を脱ぐ。
自分の診察室に彼がいることが新鮮で、妙に緊張した。
白河の真剣な目。この目に僕は弱い。
手術中の彼の視線を思い出す。
トクン、トクンと自分の心臓の音が聞こえていた。
「大丈夫そうだな。」
俺の胸の傷痕を、白河の長い指がなぞる。
ゾクゾクと身体が震えた。
この傷痕を見るたびに、彼を思い出す。
彼に触れられている部分が、ジンと熱を持っていくのがわかった。
「・・・綺麗に治ってきたよ。」
彼の視線。
その中に意味深なものを感じるのは、僕の願望のせいだろうか?
「朝萩・・・綺麗だ・・・・。」
白河は、傷痕に口付けた。
「・・・ん・・・ッ・・・」
不思議と全然驚きはない。
彼の唇にゾクゾクして、変な声をあげてしまった。
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