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『疼き』(SIDE 小椋 由)
しおりを挟む沖縄のホテルで告白、するつもりだった。
俺は三条先生のことが好き。本気で好きだ。
ここ数ヶ月は先輩の闘病のことで色々支えてくれた先生への気持ちが抑えられなくなっていた。
ホテルの予約を任されたのをいいことに、三条先生と同じ部屋をとる。
先生と同じ部屋で数日過ごせるなんて、想像しただけで俺は緊張していざ二人になるとどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
「由、どうした?」
三条先生がいつもの俺と様子が違うことに気がついて、声をかけてくれる。
「いいえ、何でも・・ないです!!」
彼は不思議そうに俺のことを数十秒見つめて、そうか、とそっけなく呟いた。
先生に告白しようと意気込んで来たけど、いざ先生と二人きりになるとドキドキして目の前がぐるぐると回る。
三条先生はかっこいい。背が高くてモデルさんみたいだし、ポーカーフェイスで、クールなイケメン。職場では色々話せるのに、ホテルの部屋に二人きりという状況に俺は戸惑っていた。
ベッドがすぐそばにあって、先生は上着を脱いでワイシャツ一枚でいるから変に緊張してしまう。
「先生、コーヒー飲みますか?!」
「え?あ、ああ。」
部屋にエスプレッソマシンが備え付けられていた。落ち着きを取り戻そうと行動する。こういう時は考えるより体を動かすに限る。
「えっと~、これは~ここに入れて~・・・・?」
普段コーヒーを飲まない俺にはもちろん使い方もわからない。
どうやってカプセルを入れるのか奮闘していると、いつの間にか俺のすぐ後ろに三条先生が立っていた。
「ここに入れるんじゃないか?」
先生の低くて男らしい声が、すぐ後ろから聞こえる。
俺の後ろから手を伸ばして、カプセルを入れる部分の蓋を開けてくれた。
「あ・・・ありがとうございます・・・・」
抱きしめられているみたいだ。
先生の身体がすぐ俺に触れそうな距離にある。
ぎゅうっと胸が苦しくなった。
「由が飲むものは?コーヒー飲まないだろ。下で何か買ってくる。」
「え?あ、あ~すみません!!」
何がいい?と聞かれたので咄嗟にコーラと答えた。
先生が部屋の外に出て行った途端、俺は床にヘロヘロと座り込む。
「嘘・・・俺・・・勃っちゃった・・・」
三条先生と同じ部屋にいるってだけで、興奮している自分がいる。
下着からペニスを取り出すと、興奮に任せて手で握り込んだ。
先生が戻ってくるかもしれないと思うと、たまらなく興奮する。先生にこんな姿・・見られたらどうするんだ・・・?そう思いながら、ペニスを扱いた。
「ん・・・三条先生・・・ッ・・・・・好き・・・っ」
先生が脱いだ上着を手に取る。
三条先生のにおい。興奮する・・・・
戻ってくる前に、早く出さなきゃ・・・
俺は夢中でペニスを擦り、手に取ったティッシュの上にペニスの先を突っ込む。
「三条・・・先生・・・っ・・・気持ちい・・・っ・・・んん・・っ!!」
どろり、とした液体が、ティッシュの上に広がった。
三条先生とエッチしたい。先生に触れられて、先生と繋がって、気持ちよくなりたい。
先生の顔を想像するだけで、下半身が疼いて仕方なかった。
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