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『横取り』(SIDE 丹念 愛)※R-18 先輩X後輩
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♡丹念 愛(たんねん まなぶ) 38歳
消化器内科の医師。
内視鏡を得意とする、内視鏡指導医。
190センチの長身。肩幅が広く男らしい肉体の持ち主。検査に入ることが多いので、白衣ではなくスクラブを着用。黒のロングヘアで、後ろ手に一本に結えている。
同棲している恋人の野池にだけは、仕事では厳しい。
♡瀬戸 光一(せと こういち)38歳
救命救急医。激務で徹夜続きでも涼しい顔で働く体力の鬼。
肌艶がよく、いつもキラキラしているイケメン医師。
茶髪。真ん中分けのウェーブヘア。
内科医の丹念とは同期で、いつも嫌味を言い合う仲。
他の人には分け隔てなく優しいが、丹念にだけは違う態度。
♡野池 智彌(のいけ ともや) 31歳
消化器内科の医師。
内視鏡マニア。丹念医師の内視鏡技術に惚れ込み、自身も何度も検査を受けている。
丹念医師のことが大好き。内視鏡の腕にも、男としても惚れ込んでいる。
黒髪短髪、元野球部のノリを今でも引きずっている。
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『横取り』(SIDE 丹念 愛)
瀬戸 光一は、医師として優秀なだけでなく、体力も精神力も常人の何倍も持ち合わせている化け物みたいな男だ。
医学部の同期で、学生時代は日々切磋琢磨した仲だったが、ある日を境に俺たちは犬猿の仲というにふさわしい2人になった。
大学3年の冬、俺には恋人が居た。
薬学部の2年生。小柄で引っ込み思案、恥ずかしがり屋でいつも俺の後ろを一歩下がって歩くような可愛い年下の恋人。
医師になるという目標しか見ていなかった俺は、それまでずっと勉強一筋だったので、人生で初めて出来た恋人だった。
瀬戸はキラキラしたルックスに、誰にでも笑顔を振りまく尻軽男なので、当時から相当モテた。
毎週のように誰かから言い寄られていたし、来る者拒まずのスタンスで恋人になったかと思えばまた違う子を部屋に連れ込むというような乱れた生活を送っていた。
遊んでばかりいるくせに成績がいつもトップクラス。
いつ勉強しているんだとよく不思議に思ったものだ。
「愛、お前、恋人が出来たんだって?」
その頃の俺と瀬戸は成績のトップをどちらが取るのかと切磋琢磨し合っている仲で、友人の中でも特に親しいと言っていいような間柄だった。
「光一、どこから聞いたんだ。そんな話。」
恋人ができたなんて話は内緒にしておこうと思っていたのに、学内での情報は早い。
特に瀬戸はあちこちに情報網があって、学内のことはなんでも知っていた。
「薬学部の子だろ。しつこくアタックされたらしいな。さすがのお前も折れたか。」
3回告白されて、その都度丁重に断っていたが、4回目の告白で彼の健気さにやられてしまった。
気付いた時には彼のことを好きになっていて、お互いの勉強を最優先でという条件付きで交際することにしたのだ。
「まぁ、そんなところだ。」
自分は淡白な方だと思っていた。
医者になるための勉強が第一で、今までの人生はそれが当たり前だったし、それ以外のことに興味がもてなかった。
それなのに、彼といざ付き合い始めてみると、どんどんハマっていって自分が抑えられなくなっていた。
「丹念先輩・・・大好き、です。」
「咲耶・・・」
一緒に部屋で勉強するという約束で、彼が部屋に来る。
初めての恋人はとても素直で愛らしい後輩で、恥ずかしがり屋なのに俺を好きだという気持ちをストレートに表現する様が可愛かった。
若かった俺は欲望が抑えられず、毎晩のように彼と激しく身体を求め合った。
「先輩・・ッ・・激し・・・っ・・・」
愛撫する余裕もなく、彼の下半身を剥き出しにすると後ろからペニスを挿入する。
何度抱いても、毎晩彼の奥深くに挿入したくてたまらなかった。
小さく可愛らしい彼のお尻に、骨張った自分の腰が当たって音を立てる。
小さくて狭い彼のアナルの奥に、ペニスが咥えこまれる感覚はたまらない快感だった。
「もっと・・・ゆっくりシて・・・ぇ」
彼の懇願するような声がひどく欲望を煽り、一番深いところに精子を打ち込みたいという激しい欲求に抗う術はなかった。
「咲耶・・・っ、出すぞ・・・っ」
「先輩・・・きて・・・僕の一番奥に・・・ッ・・あぁ!!!」
彼が射精する瞬間の可愛い声と同時に、俺は果てた。
初めての恋人。初めてのセックス。
俺は簡単に彼に溺れていった。
♢♢♢♢♢♢
「愛の恋人って・・・咲耶だったんだね?」
ある日、咲耶が忘れた本を届けに彼の部屋へ行くと、信じられない光景を目にしてしまった。
「・・・瀬戸、お前・・・・」
「丹念・・・先輩・・・ッ」
俺の初めての恋人は、友人だと思っていた瀬戸とベッドで愛し合っていた。
瀬戸と目が合った瞬間、確信犯だとすぐに気付いた。
俺の恋人だから、咲耶と寝たのだと。
「丹念先生?・・どうしたんすか、ボーッとして。」
智彌の声で我に返る。
自宅の寝室で資料に目を通していたのだと思い出した。
いつの間にか、昔の記憶に深く潜りすぎていたようだ。嫌なことを思い出してしまった。
「いや、なんでもない。」
最近瀬戸がやたらと智彌にちょっかいをかけてくる。
俺の恋人だから、興味があるのだろう。
「智彌、こっちに来い。」
「え?なんですか?」
お風呂上がりの無防備な彼の身体。
無性に抱きしめたくなった。ベッドに押し倒すと、驚いた顔で見上げてくる。
「な・・・なんすか?・・・先生・・・っ」
いつも元気いっぱいの彼は、セックスの時だけ違う顔を見せる。
内視鏡検査を志願したり、仕事での手痛い失敗を臆することなく相談するオープンな彼が、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている姿は、たまらなく可愛かった。
「抱いていいか?」
「・・・そんなの、いちいち聞かなくていいです。」
智彌が自分を裏切る姿は想像出来ない。
「俺は、丹念先生のものだから・・いつでも抱いてください。」
彼だけは大丈夫だと思う自分は、自信過剰だろうか?
瀬戸の顔が一瞬頭に浮かぶ。
慌てて打ち消すと、ねだるようにこちら見上げている可愛い恋人に深く口付けた。
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