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侯爵令嬢マリアには病弱な妹ソフィアがいる。
彼女はいつも自室のベッドに横たわり、両親の愛を常に注がれている。
そんな妹、ソフィアに、いつもマリアは様々な持ち物を奪われ続けてきた。
髪飾りから始まり、洋服からハンカチ、 部屋から出ないのに靴を取られた時もあった。
それらはまぁ許容範囲だったのだが、今回はいただけない。
なにせ、婚約者を譲って欲しいと言われたからだ。
マリアの婚約者、ハルトは、公爵家の長男、容姿端麗で剣の腕も立つ、文武両道を絵に描いたような人だった。
そんな婚約者を見て、妹のソフィアは一目惚れしたのだという。
「お姉さま、お願い!私は病弱だからこの部屋以外の世界を知らないの……だから、ハルト様を私に譲って!」
ふぅ!どんな理屈だ!
しかし、この話を聞いた父は、
「そうだぞマリア!ソフィアは病弱なんだ!だからハルト様との婚約をソフィアに譲りなさい!何よりハルト様にこの話をしたら、乗り気だったし、構わないだろ?お前には他の方を紹介してやる。」
まぁ、父がそう言うし、母も父の影に隠れて私に折れろと言っている………。
って、よく考えたらこれは良い話なのでは?と思い至る。
それは………。
まぁ、ソフィアとハルト様が結婚してからにしよう。
春の暖かい陽気の中、ハルト様と妹のソフィアの結婚式が行われた。
私は式の間、目立たないように、会場の端に立っていたのだけれど、そこでキース侯爵と知り合いになり、意気投合するのだけれど、今回はその話は置いておいて、ソフィアの幸せを祈りたい。
なにせ、ハルト様は容姿端麗、文武両道、非の打ち所の無い人物なのだけれど、私と婚約中、私には指一本触れようとしなかった。
結婚してからとか、いつの時代だ?
と思っていたけれど、違うようだった。
最近知ったことなのだけれど、ハルト様は男の方に言い寄られるのを好んでいるようなのだ。
まぁ、病弱な?妹には、元々、出産などいう、大変な仕事は無理だろうからそれも良いのかもしれない。
一目惚れなんて本当かどうか疑わしいが、二人の幸せを心から願う。
私はこれからキース様との展開を頑張らなければいけないので、あとは知ったことでは無かった。
彼女はいつも自室のベッドに横たわり、両親の愛を常に注がれている。
そんな妹、ソフィアに、いつもマリアは様々な持ち物を奪われ続けてきた。
髪飾りから始まり、洋服からハンカチ、 部屋から出ないのに靴を取られた時もあった。
それらはまぁ許容範囲だったのだが、今回はいただけない。
なにせ、婚約者を譲って欲しいと言われたからだ。
マリアの婚約者、ハルトは、公爵家の長男、容姿端麗で剣の腕も立つ、文武両道を絵に描いたような人だった。
そんな婚約者を見て、妹のソフィアは一目惚れしたのだという。
「お姉さま、お願い!私は病弱だからこの部屋以外の世界を知らないの……だから、ハルト様を私に譲って!」
ふぅ!どんな理屈だ!
しかし、この話を聞いた父は、
「そうだぞマリア!ソフィアは病弱なんだ!だからハルト様との婚約をソフィアに譲りなさい!何よりハルト様にこの話をしたら、乗り気だったし、構わないだろ?お前には他の方を紹介してやる。」
まぁ、父がそう言うし、母も父の影に隠れて私に折れろと言っている………。
って、よく考えたらこれは良い話なのでは?と思い至る。
それは………。
まぁ、ソフィアとハルト様が結婚してからにしよう。
春の暖かい陽気の中、ハルト様と妹のソフィアの結婚式が行われた。
私は式の間、目立たないように、会場の端に立っていたのだけれど、そこでキース侯爵と知り合いになり、意気投合するのだけれど、今回はその話は置いておいて、ソフィアの幸せを祈りたい。
なにせ、ハルト様は容姿端麗、文武両道、非の打ち所の無い人物なのだけれど、私と婚約中、私には指一本触れようとしなかった。
結婚してからとか、いつの時代だ?
と思っていたけれど、違うようだった。
最近知ったことなのだけれど、ハルト様は男の方に言い寄られるのを好んでいるようなのだ。
まぁ、病弱な?妹には、元々、出産などいう、大変な仕事は無理だろうからそれも良いのかもしれない。
一目惚れなんて本当かどうか疑わしいが、二人の幸せを心から願う。
私はこれからキース様との展開を頑張らなければいけないので、あとは知ったことでは無かった。
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