31 / 35
第二十八話 暗殺者の記憶
しおりを挟む
マリアはイデアルとの会話を進める。
『服などから分かりませんか?』
『そうだなぁ、幸い動物に荒らされてはないから、私が直接彼に聞いてみよう。』
『はい?え、生きているのですか?』
『いや、もう生きてはいないよ、ただ、この体に残る記憶を探ることは出来る。』
『お、お願いいたします。』
『では一度彼に聞く事に集中するから暫くしてからまた意識を繋げて欲しい。』
『はい。お願いいたします。では、また。』
………………。
「ふう、アドレー、イデアルさんが、暗殺者の記憶を探ってくれるそうよ。」
「は?記憶を?……何でもありだなイデアル………。」
「ね、すごいよね……。私もビックリした。」
「本当にそうだな!………なぁ、そおいえば、……今…アドレーって……。」
「え、ええ……客車の中、二人だし、…………良いかなって……駄目なら止めます。」
「い、いや、止めないでくれ。ああ、やっと君とこうして会話出来るのが幸せだ。敬語では距離を感じていたんだ。」
「だって、今までは必ず誰かがそばにいたし、ランシッグは長く滞在して慣れてはいたけど、他国だったしね……。緊張は解けないでしょ?」
「ん?そうなのか?まぁ、俺はアーサーとは親友の様な間柄で、この間まで留学していたからな………マリア、気付けなくてゴメン。」
「い、いえ…そう言って貰えてうれしい。」
「はぁ、マリアと、こうして、隔たりなくする会話は、幸せだな……。愛してるよ。」
「は、はい……私も………。」
『う~~~、ゴホン!すまない、シリアスな展開の後にすぐいちゃつくとは思わず、意識を繋げてしまって、悪いんだがね、幾つかわかった事があるよ。』
「い、イデアルさん、すみません!」
マリアは慌てて、指輪に意識を向けるのではなく、声を発する!
「ん?もう何かわかったのか?」
「あ、アドレーさん、今、イデアルさんと話すから、意識を向けるね。」
バタバタと慌てて、イデアルに意識を向けるマリア、
「あ、ああ、頼む。」
『ご、ごめんなさい、イデアルさん、それで、何がわかったのですか?』
『ああ、こいつは、どうやら何者かに雇われて、アドレー王子の命を奪いに来たらしいな、記憶の中の手紙にあった、差出人の名は、読み取れなかった、何か暗号の様なものだったからな……。しかし、こいつは、麻薬を売りさばく団体に所属していて、その麻薬は、リッチ侯爵領地で製造されているようだ。』
『リッチ侯爵!……それは、冗談ですよね?』
『お、どうした?知り合いか?』
『はい……義理の妹が嫁いだ先です。』
『そうなのか……まぁ、冗談ではなくこれが私が読み取った全てだ。この情報をどう使うかは、君しだいだ。では、また何かあったら連絡しなさい。』
「……。」
「どうだ?何かわかったか?」
「はい、犯人は多分………」
エネローワへの道中、マリアはイデアルから得た情報をそのまま伝えたのでした。
『服などから分かりませんか?』
『そうだなぁ、幸い動物に荒らされてはないから、私が直接彼に聞いてみよう。』
『はい?え、生きているのですか?』
『いや、もう生きてはいないよ、ただ、この体に残る記憶を探ることは出来る。』
『お、お願いいたします。』
『では一度彼に聞く事に集中するから暫くしてからまた意識を繋げて欲しい。』
『はい。お願いいたします。では、また。』
………………。
「ふう、アドレー、イデアルさんが、暗殺者の記憶を探ってくれるそうよ。」
「は?記憶を?……何でもありだなイデアル………。」
「ね、すごいよね……。私もビックリした。」
「本当にそうだな!………なぁ、そおいえば、……今…アドレーって……。」
「え、ええ……客車の中、二人だし、…………良いかなって……駄目なら止めます。」
「い、いや、止めないでくれ。ああ、やっと君とこうして会話出来るのが幸せだ。敬語では距離を感じていたんだ。」
「だって、今までは必ず誰かがそばにいたし、ランシッグは長く滞在して慣れてはいたけど、他国だったしね……。緊張は解けないでしょ?」
「ん?そうなのか?まぁ、俺はアーサーとは親友の様な間柄で、この間まで留学していたからな………マリア、気付けなくてゴメン。」
「い、いえ…そう言って貰えてうれしい。」
「はぁ、マリアと、こうして、隔たりなくする会話は、幸せだな……。愛してるよ。」
「は、はい……私も………。」
『う~~~、ゴホン!すまない、シリアスな展開の後にすぐいちゃつくとは思わず、意識を繋げてしまって、悪いんだがね、幾つかわかった事があるよ。』
「い、イデアルさん、すみません!」
マリアは慌てて、指輪に意識を向けるのではなく、声を発する!
「ん?もう何かわかったのか?」
「あ、アドレーさん、今、イデアルさんと話すから、意識を向けるね。」
バタバタと慌てて、イデアルに意識を向けるマリア、
「あ、ああ、頼む。」
『ご、ごめんなさい、イデアルさん、それで、何がわかったのですか?』
『ああ、こいつは、どうやら何者かに雇われて、アドレー王子の命を奪いに来たらしいな、記憶の中の手紙にあった、差出人の名は、読み取れなかった、何か暗号の様なものだったからな……。しかし、こいつは、麻薬を売りさばく団体に所属していて、その麻薬は、リッチ侯爵領地で製造されているようだ。』
『リッチ侯爵!……それは、冗談ですよね?』
『お、どうした?知り合いか?』
『はい……義理の妹が嫁いだ先です。』
『そうなのか……まぁ、冗談ではなくこれが私が読み取った全てだ。この情報をどう使うかは、君しだいだ。では、また何かあったら連絡しなさい。』
「……。」
「どうだ?何かわかったか?」
「はい、犯人は多分………」
エネローワへの道中、マリアはイデアルから得た情報をそのまま伝えたのでした。
13
お気に入りに追加
657
あなたにおすすめの小説

水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います
黒木 楓
恋愛
伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。
異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。
そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。
「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」
そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。
「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」
飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。
これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。

妹と違って無能な姉だと蔑まれてきましたが、実際は逆でした
黒木 楓
恋愛
魔力が優れていた公爵令嬢の姉妹は、どちらかが次の聖女になることが決まっていた。
新たな聖女に妹のセローナが選ばれ、私シャロンは無能な姉だと貴族や王子達に蔑まれている。
傍に私が居たからこそセローナは活躍できているも、セローナは全て自分の手柄にしていた。
私の力によるものだとバレないよう、セローナは婚約者となった王子を利用して私を貶めてくる。
その結果――私は幽閉されることとなっていた。
幽閉されて数日後、ある魔道具が完成して、それによって真実が発覚する。
セローナが聖女に相応しくないと発覚するも、聖女の力を継承したから手遅れらしい。
幽閉しておいてセローナに協力して欲しいと私に貴族達が頼み始めるけど、協力する気は一切なかった。

【完結済】どうして無能な私を愛してくれるの?~双子の妹に全て劣り、婚約者を奪われた男爵令嬢は、侯爵子息様に溺愛される~
ゆうき
恋愛
優秀な双子の妹の足元にも及ばない男爵令嬢のアメリアは、屋敷ではいない者として扱われ、話しかけてくる数少ない人間である妹には馬鹿にされ、母には早く出て行けと怒鳴られ、学園ではいじめられて生活していた。
長年に渡って酷い仕打ちを受けていたアメリアには、侯爵子息の婚約者がいたが、妹に奪われて婚約破棄をされてしまい、一人ぼっちになってしまっていた。
心が冷え切ったアメリアは、今の生活を受け入れてしまっていた。
そんな彼女には魔法薬師になりたいという目標があり、虐げられながらも勉強を頑張る毎日を送っていた。
そんな彼女のクラスに、一人の侯爵子息が転校してきた。
レオと名乗った男子生徒は、何故かアメリアを気にかけて、アメリアに積極的に話しかけてくるようになった。
毎日のように話しかけられるようになるアメリア。その溺愛っぷりにアメリアは戸惑い、少々困っていたが、段々と自分で気づかないうちに、彼の優しさに惹かれていく。
レオと一緒にいるようになり、次第に打ち解けて心を許すアメリアは、レオと親密な関係になっていくが、アメリアを馬鹿にしている妹と、その友人がそれを許すはずもなく――
これは男爵令嬢であるアメリアが、とある秘密を抱える侯爵子息と幸せになるまでの物語。
※こちらの作品はなろう様にも投稿しております!3/8に女性ホットランキング二位になりました。読んでくださった方々、ありがとうございます!

必要ないと言われたので、元の日常に戻ります
黒木 楓
恋愛
私エレナは、3年間城で新たな聖女として暮らすも、突如「聖女は必要ない」と言われてしまう。
前の聖女の人は必死にルドロス国に加護を与えていたようで、私は魔力があるから問題なく加護を与えていた。
その違いから、「もう加護がなくても大丈夫だ」と思われたようで、私を追い出したいらしい。
森の中にある家で暮らしていた私は元の日常に戻り、国の異変を確認しながら過ごすことにする。
数日後――私の忠告通り、加護を失ったルドロス国は凶暴なモンスターによる被害を受け始める。
そして「助けてくれ」と城に居た人が何度も頼みに来るけど、私は動く気がなかった。

従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。

【完結】毒殺疑惑で断罪されるのはゴメンですが婚約破棄は即決でOKです
早奈恵
恋愛
ざまぁも有ります。
クラウン王太子から突然婚約破棄を言い渡されたグレイシア侯爵令嬢。
理由は殿下の恋人ルーザリアに『チャボット毒殺事件』の濡れ衣を着せたという身に覚えの無いこと。
詳細を聞くうちに重大な勘違いを発見し、幼なじみの公爵令息ヴィクターを味方として召喚。
二人で冤罪を晴らし婚約破棄の取り消しを阻止して自由を手に入れようとするお話。

王子に買われた妹と隣国に売られた私
京月
恋愛
スペード王国の公爵家の娘であるリリア・ジョーカーは三歳下の妹ユリ・ジョーカーと私の婚約者であり幼馴染でもあるサリウス・スペードといつも一緒に遊んでいた。
サリウスはリリアに好意があり大きくなったらリリアと結婚すると言っており、ユリもいつも姉さま大好きとリリアを慕っていた。
リリアが十八歳になったある日スペード王国で反乱がおきその首謀者として父と母が処刑されてしまう。姉妹は王様のいる玉座の間で手を後ろに縛られたまま床に頭をつけ王様からそして処刑を言い渡された。
それに異議を唱えながら玉座の間に入って来たのはサリウスだった。
サリウスは王様に向かい上奏する。
「父上、どうか"ユリ・ジョーカー"の処刑を取りやめにし俺に身柄をくださいませんか」
リリアはユリが不敵に笑っているのが見えた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる