完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

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【閑話】 ソフィアの逃走と投獄

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「な、何でばれたのよ!私は上手くやっていたはずなのに……ハルトのアホがまた何かしくじったのね……。まったく、早く殺しておくべきだったわ……。私の可愛い坊やはハルトの親に預けたままだし………早く迎えに行きたいわね……。」

ソフィアは麻薬で得た莫大な財産を使い、豪遊を繰り返していた。ハルトも感覚が麻痺したのか、ソフィアと同じく豪遊をしていたので、当局から目をつけられていた。そんな訳で、今ソフィアは追われる身になっていた。 

「全く、何で私がこんな目に遭わなければいけないの?麻薬は欲しい人が沢山いるからあんなに儲かるし、何より皆幸せな気分になれるのよ。需要と供給のバランスがとれた素晴らしいビジネスだったのに………ちょっと国の法律にふれただけじゃない………。」

「いたぞ!逃がすな!」

「ちょっと、離しなさいよ!私を誰だと思っているの?ハルト侯爵夫人なのよ!」

「分かっている!何より、お前はハルト侯爵夫人の前に、麻薬の女王、ソフィアだろ!さっおとなしく観念しろ!」

「ま、待って、ち違うのよ、こ、これは、そ、……そう!私の姉のマリアの指示なのよ。私は姉の指示に従って麻薬を栽培、製造、販売していたのよ…、わ、分かるでしょ?私のような可愛いい女が麻薬なんて………。」

「はぁ?どんな言い訳をするかと思えば、お前の姉の指示だと?お前の姉のマリアさんは、王宮に来てから出した手紙は隣国のネネンに出した物だけだと調べはついている。どんな事情かは知らんが、今はランシッグにアドレー王子の共で、国を離れているし、お前に指示などだせん!」

「そ、そんな……だから私は違うのよ………。」

こうしてソフィアは投獄される事となった。

一方ハルトはというと…

「ハルト侯爵!ちょっとご同行願えませんかな?」

「ひ、ひい、………やっぱりバレましたか?」

「ええ、素直に自供して頂ければ、こちらも手間が省けるのですが。」

「分かりました。全てお話します。」

ハルトは侯爵の地位と領地を子供に相続させる事を条件に、ソフィアと共に麻薬事業をしていたことを洗いざらい白状して、投獄される事となった。 

「やっと、やっと解放される………真実の愛は息子に引き継げたかなぁ………。」

ポツリと呟くハルトの背中はとても小さかった。
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