完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

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第二十五話 婚約と旅立ち

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マリアは考える。

わざわざ王に話して静かな生活を壊してまで王子を色々な危険に巻き込んでも良いのだろうか……でも、王子の気持ちに応えたい、マリア自身もアドレーを愛する気持ちがあることは隠しようがなかった。父なら許してくれるだろうか……継母やソフィアは攻め立てるだろう……。

「ほ、本当に迷惑を沢山かけ……」

「それ以上言わなくて良い!マリア、立てるか?」

「は、はい。」

マリアはベッドから降り、立ち上がると、王子はマリアの前で片ひざをつき、マリアの手をとる

「マリア、貴女の身に降りかかる災いは二人で乗り越えて行こう!そして、君を必ず守るとここに誓う。今はこのイデアルからもらった木の指輪しかないが、これを受け取って欲しい、そして、私と結婚してくれないか?」

マリアは暫く間をおいて、

「はい。よろしくお願いいたします。」

アドレーは立ち上がり、マリアを抱き締める!

「ふぅ、老人を無視してプロポーズとはの……。しかし、アドレー、いつの間に指輪を?」

「ああ、これか?なんか、マリアを通してイデアルが話しかけて来たんだが、その後手の中にあったんだ。」

「イデアルさんからの贈り物なのね……ありがとうございます。」

「さ、手を出して。」

アドレーはマリアの薬指に指輪をはめると、

『婚約おめでとう、マリア。この指輪は特別なものでな、私の意識と好きなときに繋がれるものだ。指輪事態に自我は生まれないから安心して欲しい。』

『ありがとうございます。あの時、イデアルさんが力を貸してくれたので、アドレー様を助ける事が出来ました。』

『いや、あれは君の頑張りがあったからだよ。まぁ、これからの生活は大変になるだろう、私が陰ながら力になれるときは協力しよう。』

『はい、よろしくお願いいたします。』

こうして、マリアはアドレー王子と婚約し、イデアルの指輪を手にいれ、ドルイダスの巫女としての力を手に入れました。

~~~翌日~~~

「じゃあ、婆さん、世話になったな。」

「これ!お姉さまじゃろ!」

「すみません、アドレー様は相変わらずで……。」

「ふぉ、ふぉ、かまわんよ、口ではこんな感じでもこの子の事は良く分かっておるからの。」

「おい、マリア、婚約したんだから、様はとってもいいんだぞ?」

「そ、そんな不敬な………では……アドレーさん。」

「ふん、まぁ、今はそれでいいか、じゃあ、一度ランシッグに戻るぞ!」

「はい。」

こうして、マリアはエーファに別れを告げ、ネネンの村から立つのでした。


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