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「マリア、良くきてくれたね。」

「ハルト様、こんな夜遅く、どうなされたのですか?」

「いや、君と話をしたくてね。」

話、婚約破棄とか、別れ話だろうか……ハルト様は最近侯爵令嬢のエリザベス様と仲良くしているご様子、私が邪魔になったとか……かな?

「お話なら明日でも出来ますよ?」

「いや、ワインでも飲みながら深い話が出来たらと思ってね。」

「あ、ではご用意しますね。」

「あ、いや、僕が用意しているから大丈夫だよ。」

え?絶対おかしい、ハルト様はそんなことする人ではない、こ、怖い!何か企みがあるのかしら?ハルトは奥の部屋にワインとグラスを取りに出て、トレーをカタカタいわせながらワインを運んできた。

「だ、大丈夫ですか?トレーが揺れてますけど?」

「ああ、慣れない事はあまりするものじゃないね。」

ハルト様は、緊張しているのか、額に少し汗が浮かんでいるように見える。

「そうですよ。そんなことはそこにいる侍女にでもやらせるか、私がしますので。」

「いや、たまにはぼくがね…。」

ハルトはグラスにワインを注ぐと、テーブルに置き、マリアに差し出す。何か様子がおかしい……もしかして……マリアはそっと、ワイングラスをハルトのものと魔法で位置を取り替える。

「では乾杯しようか。」

「はい。」

グラスを傾け、ワインを口にする。

途端!ハルトは苦しみだし、泡を吹く!

「ハ、ハルト様?」

「な、なぜだ!ま、間違えたか?バ、バカな……私がこんなへまを……。」

ハルトはこときれて、死んでしまった。

やっぱり私が殺されるとこ…だったのね。













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