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凱旋……

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魔王を討伐し、生命からがら魔王城を脱出には成功したが、仲間の骸を連れて出られなかった事にマリアは後悔していた。

魔王城は深い洞窟の奥にあり、洞窟も魔王城諸とも崩れてしまったので、掘り出す事は不可能だった。

マリアは暫くそこで立ち尽くしていたが、国王に魔王討伐に成功した事を報告しなくてはと、思い直し、瓦礫の荒野を後にしたのだった。

魔王城は魔物が多く住む魔王大陸の中央山脈にあり、そこからは魔物を倒しつつ帰路に着かなければならなかったので、討伐後、1ヶ月をかけて、彼女の故郷ラジェシー王国に帰り着いたのだった。

1ヶ月の間に各地で未だ残る魔物を退治したことで、二人の従者を得たマリアであったが、ラジェシー王国前で馬車を降りると、別れを告げ、ひっそりと歩いて城へと向かった。

それは、国王に魔王討伐を伝える大切な役目を早く果たしたいが、死んだ仲間の事そして、その家族の事を思うと、派手な凱旋パレードは控えたいとの思いからだった。

静かに城内に入ろうとすると、城門に立つ門番のマルタンがマリアに気付く。

「マ、マリア様ですか?ここにおいでになると言うことは………つ、ついに、成し遂げられたのですか?」

「ええ、まぁ、それは国王報告の後に……。」

「そ、それで……あ、兄の姿が見えないのですが……」

「ご、ごめんなさい…」

「あ、報告はマリア様に任せて何処か遊びに行ったんでしょ?」

マリアは顔を背け呟く。

「ごめんなさい……」

「そ、そんな………そ、そうな…んですね……あ、兄の最後は…。」

「ええ、お兄様のオリヴィエは立派に勤めを果たされました。ごめんなさい……先に国王に報告をしてきます。詳しくは後で……ごめんなさい」

「謝らないでください。兄は立派に戦ったのですね……」

「そうです。では、報告がありますから……行きますね…」

遺体を連れ帰れなかった事を打ち明けられず、マリアは城の中へ進んだ。

城門をくぐると、側にいた兵士に国王への謁見を取り次ぐように話し、待つように指示される。

そして国王へと報告に向かった。




















    
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