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十七話 涙の手紙
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キースが一週間家を空けると出掛けてから………
二週間がたっていた。
出掛けて八日目の時点では、少し遅れただけだろうと思っていたアメリアだったが、それから7日も経つと、マリアだけではなく使用人のセバスやジェーンも事の重大さに、心をザワつかせていたがマリアやアメリアを残して屋敷を空ける事も出来ない、そして、まだ五歳と幼いマリアが捜索に行く事も出来ず、何よりアメリアは、世間では死亡したことになっていた為、捜索に出たとしても、騒動の種になるからと、屋敷から出て捜索することも出来ないでいた。
「ふぅ、今日もお父様はお戻りにならなかったわね、アメリア。」
キースの事が気になり、授業にも身も入らないマリアは、机の木目をなぞりながら呟く。
そんなマリアに、アメリアは何か言ってあげたくて、
「そうね、マリアさん。出掛けた理由が理由だけに心配はあるのだけれど、貴女のお父様のキース様は、王国でも指折りの魔法使いなので、最悪の事は………。」
そう言いかける自分に、最悪の事を口に出していると思うアメリア。
マリアは、そんな言葉を遮り、大声で、
「止めて!そんなことを気休めでも言わないで!」
そう目に涙を溜めながら言った。
そんなマリアの姿にアメリアは素直に謝る。
「そうね………ごめんなさい。マリアさん。」
素直な謝罪に、マリアも幼いにもかかわらず、気丈に振るまい
「ううん…でも、そんな話は聞きたくないの。お母様の事もあるし、私は………。」
涙が溢れそうになるマリアをアメリアは強く抱き締める!
そして二人で抱き合い泣いていると、
部屋をノックの音が響き渡る。
不吉な話の後に訪れた音に、恐る恐る承諾の意を示すと、顔を僅かにほころばせるセバスが入室する。
「授業中失礼いたします。
マリアお嬢様にお手紙が届きましたので、取り急ぎお伝えしたく………。」
マリアが手紙を受け取ると、差出人ところには、キース=エネロワの名が記されていた。
「アメリア!手紙が来たわ!」
喜びのあまり大声を出すマリア。
そんなマリアを見てまた涙を滲ませるアメリア。
その手紙は2日前に書かれたもので、色々と想定外の事も起こり、忙しくしていたら予定を大幅に過ぎた事に気付き、取り急ぎ無事の報せ伝えるためのものだった。
手紙を読み終えたマリアは、
「まったく!屋敷で待つ者の事を考えればもっと早く報せを寄越すべきよね、アメリア?」
先程まで心配で泣いていたことが嘘のように父親に怒りの感情を持つマリアに、
「そうね、帰ってきたら一緒にとっちめてあげなくてはいけないわね。マリアさん。」
そう言って、二人の視線が重なると、自然と笑いが起こり、安堵からまた二人で抱き合い涙を流すのだった。
二週間がたっていた。
出掛けて八日目の時点では、少し遅れただけだろうと思っていたアメリアだったが、それから7日も経つと、マリアだけではなく使用人のセバスやジェーンも事の重大さに、心をザワつかせていたがマリアやアメリアを残して屋敷を空ける事も出来ない、そして、まだ五歳と幼いマリアが捜索に行く事も出来ず、何よりアメリアは、世間では死亡したことになっていた為、捜索に出たとしても、騒動の種になるからと、屋敷から出て捜索することも出来ないでいた。
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「そうね、マリアさん。出掛けた理由が理由だけに心配はあるのだけれど、貴女のお父様のキース様は、王国でも指折りの魔法使いなので、最悪の事は………。」
そう言いかける自分に、最悪の事を口に出していると思うアメリア。
マリアは、そんな言葉を遮り、大声で、
「止めて!そんなことを気休めでも言わないで!」
そう目に涙を溜めながら言った。
そんなマリアの姿にアメリアは素直に謝る。
「そうね………ごめんなさい。マリアさん。」
素直な謝罪に、マリアも幼いにもかかわらず、気丈に振るまい
「ううん…でも、そんな話は聞きたくないの。お母様の事もあるし、私は………。」
涙が溢れそうになるマリアをアメリアは強く抱き締める!
そして二人で抱き合い泣いていると、
部屋をノックの音が響き渡る。
不吉な話の後に訪れた音に、恐る恐る承諾の意を示すと、顔を僅かにほころばせるセバスが入室する。
「授業中失礼いたします。
マリアお嬢様にお手紙が届きましたので、取り急ぎお伝えしたく………。」
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その手紙は2日前に書かれたもので、色々と想定外の事も起こり、忙しくしていたら予定を大幅に過ぎた事に気付き、取り急ぎ無事の報せ伝えるためのものだった。
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「まったく!屋敷で待つ者の事を考えればもっと早く報せを寄越すべきよね、アメリア?」
先程まで心配で泣いていたことが嘘のように父親に怒りの感情を持つマリアに、
「そうね、帰ってきたら一緒にとっちめてあげなくてはいけないわね。マリアさん。」
そう言って、二人の視線が重なると、自然と笑いが起こり、安堵からまた二人で抱き合い涙を流すのだった。
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