婚約者のマリアよりも自分の母親を優先するハルト侯爵はついに婚約破棄をするそうです。

第1話

「あ、マリア、今日の予約はキャンセルだ。代わりに僕はこれからお母様と出掛けてくるからるすを頼むぞ！」

「え？今日は婚約してからはじめての二人での食事は……」

「ん？だからキャンセルだと言っただろ？」

「では、責めて私も一緒に……」

「はぁ！なに言ってるんだ！僕とママとのデートをお前は邪魔するのか？もう良い、私は出かける！」

そう言い残すと、ハルトは勢い良く扉を閉めて部屋から出ていく！

「え、な、なにあれ？ママ？デート？マザコンが過ぎる！」


～～～数ヶ月後～～～

「ああ、お前はなぜこんなことも出来ない！ママならこんなことにはならないぞ！」

「ママって……」

「うるさい！僕がママをどう呼ぼうとお前には関係あるまい！それに、お前が、これほど役立たずとは………婚約破棄だ！」

「え？ほ、本気ですか？」

「当たり前だ！前々からからママとも相談していたのだ！お前のような役立たずで、僕とママとの関係に文句を言うヤツはいらないとね！」

「わ、わかりました。婚約破棄を受け入れますが、慰謝料はいただきますよ。」

「ふん！やっぱり金か！この守銭奴が！」

こうしてマリアはハルトの屋敷から出て実家に戻ることになった。


～～～数ヶ月後～～～

マリアとハルトの婚約破棄の原因がハルトの異常なマザコンによるところの噂が駆け巡り、ハルトは社交界での居場所を失った。


「ふぅ、皆さん噂話が好きだからあっという間に広がったわね。あのマザコン！ざまぁないわ！」