【完結】不倫夫は地獄に落とします！～私が妊娠中に浮気をするような貴方を許すことはできません！ゴミクズのように捨てますので悪しからず～

第七話 アンリエッタの日常

アンリエッタは力仕事や屋敷を歩き回ることを極力控えるため、デスクワークを増やしていた。
その為か、ここ一月で、ハルトの領地や会社全てを把握し、改善案が湧き水のように溢れ出して来ることが、楽しく、忙しい時間を過ごしていた。
そんなアンリエッタは、今日も屋敷の中に作った、仕事部屋で秘書を巧みに使い、改善策を練っていた。

「ふぅ、カール？」

「はい、奥様。」

「悪いんだけど、エミリーを呼んできてくれる？」

エミリーは、先日からアンリエッタの秘書として働いている、元レンジャーをしていた。

「すみません、只今エミリーは農地の視察に出ておりまして……。」

アンリエッタは、エミリーの不在が余程残念な様子で、

「ああ、そうだったわね。ん～、どうしようかしら、少し時間が出来るわね………」

手元のペンをくるくると回しながら、何やら考えている…

そんなアンリエッタを心配したカールは、

「あの、奥様？少しお休みになられてはいかがですか？あまりにも働き詰めで、お腹のお子様にも響いてしまわれるかと……。」

そんなカールの優しさに、

「え？ああ、心配してくれるのはありがたいんだけど、こうして私は特性の椅子や机も用意して、お腹に負担をかけない格好でデスクワークしてるから大丈夫よ。」

「そう言われましても、旦那様を送り出されてから、ずっと机にむかわれてますよ？」

「そうなんだけど、私は全然、無理はしてないのよ。何より楽しいの。」

「確かに、机にむかわれるアンリエッタ様は、楽しまれているようにお見受けできますが……。」

アンリエッタは、ペンを指揮棒の様に降りながら、

「それはね、私は幼い頃から尊敬する父の仕事を見て育ってきたの、そして、今私はそんな父のように経営に携わる仕事が出来る。こんなに楽しい事はないわ。」

満面の笑みでアンリエッタがいうと、

「奥様、わかりました。でも、少しは休憩をとって下さい。肉体労働でなくても、疲れはたまっているはずです。お腹のお子様の為にもお身体を休めて下さい。」

カールが真剣な眼差しでアンリエッタに願い出る。

「そうね、お腹の子供の為ね……そうするわ。」

そういうと、アンリエッタは、何やら魔道具を手に取り、寝室へと向かおうとする。

「アンリエッタ様、そのお手の物は何ですか？」

「え？これはね、映像をためておける魔道具で、ほら、こうして見ると、壁に投影も出来る優れものなのよ。そして、隠し撮りなんて事も出来るから、犯罪には使わないようにね♪カール♪」

「そう言うことではありません！休んで下さい！」

「は～～い。」

アンリエッタはそう言いつつも、魔道具を持って仕事部屋を出るのだった。