サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

文字の大きさ
上 下
151 / 195
第五章・ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 151

しおりを挟む


 第五章は「チェンマイ・マイラブ」を連載予定でしたが、「ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ」に変更させていただきます、サーセン🙏


 第一話  ミャンマーへの第一歩


 2009年の年末年始は海外で過ごそうと思った。

 「突撃!アンコールワット・年末年始は日本で過ごすべきかも篇」というメールマガジンを過去に配信していたことに反する行動となる。

 理由のひとつは、当時住んでいたゲストハウスで、一人寂しく年越しをするのがやりきれないということ。

 理由の二つ目は、このころ従事していた仕事の繁忙期が毎年1月下旬から四月末頃までなのだが、忙しくなる前だと長い休みを取りやすいと考えたからであった。

 今回の目的地はミャンマー。

 ミクシーやブログなどで、「行くぞ!ミャンマー」などと、数ヶ月前から吠えていたので、有言実行をしないと恥ずかしいという理由も少しあった。

 でも、本当にミャンマーは随分前から行きたいと思っていたのだ。
 遺跡も多いし、国民性は素晴らしくよいらしいからね。

 さて、今回ミャンマーへ行くと公表してから、ミクシーのお友達で七十歳を過ぎられたトラベラーの仙人さんから「ご一緒願えればありがたい」と恐縮するメッセージを頂戴していた。

 日程が合うなら「旅は道連れ、世は情け」と参りましょうかと了解していた。

 仙人さんは六十五歳で公務員~団体役員を晴れて退職し、バックパックこそ背負わないが、肩掛け式のバッグを持ってアジア旅行に出始めたとのことである。

 これまでこれまで東南アジアはもとよりインドや中国への長期旅行を何度も経験されており、バンコクのバックパッカーのメッカであるカオサンロードでは欧米人旅行者から「スーパースター」と呼ばれるくらい有名な人である。

 この旅行記のころは七十歳を過ぎられたあたりだったが現在は八十四歳、毎年、日本が寒くなる十一月ごろから翌年の三月ごろまでを主に東南アジアで過ごし、日本が暖かくなった頃に帰国される。

 そして日本の春から初秋までを岐阜県恵那の田舎でのんびり過ごされる。


 さて、ミャンマー大使館へビザの申請に行ったのが十二月の始め、品川の大使館へ足を運んで写真と申請書をパスポートと一緒に提出したが、帰宅後すると大使館職員から携帯電話に連絡が入った。

 何かと思って出てみると、今回のビザ申請書に加えて、誓約書と言うものを簡単に書いてFAXして欲しいと言うのだ。

 理由は、これまで僕が何冊か本を出版しているので、「ミャンマーへ旅行して帰国後、わが国の悪いことを書かないという誓約書を出して欲しい」とのことだった。

 ネットで僕のことを調べたのかも知れないが、僕が出版しているのは探偵物と金融物ですが・・・と言っても通じなかった。

 それにたいして売れているわけじゃないのだが・・・。

 ともかく、簡単な英語でA4用紙にサラサラと英語で打ち(実は翻訳ソフトを利用したのだが)、近くのコンビニからFAXした。

 そのあと仕事が忙しくてあっという間に一週間が経過してしまっていて、携帯にミャンマー大使館から「早く取りに来なさい」と留守番伝言が入っていた。

 旅に出発する四日前に再び大使館を訪れて、ようやくビザを受け取ることができた。

 十年ほど前にベトナムビザを日本で取得したことがあるが、ここ数年ビザ不要の国が増えている中にあって、今回は本当に面倒な手続きだと感じた。

 十二月十九日と二十日は大阪の家族と合流し、四人で本当に久しぶりの一泊旅行を実施した。

 海外旅行に出る前に罪滅ぼしの意味もあったが、闘病中の妻と息子たちとの楽しいつかの間を過ごせたことに神仏に感謝した。

 そして、年末の追い込みで大変な当時の職場のスタッフさんに「もう帰ってくるな」「人でなし!」「自己中オヤジ!」などと様々なブーイングを浴びながら、十二月二十二日の夕方便・ノースウエストでバンコクへ向かったのでありました。

 今回も成り行き任せの旅行であった。

 本当にミャンマーへ行けるのか?

 チケットはバンコクにて仙人さんと合流後購入する予定だったのだが・・・。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

探偵手帳・番外編 

Pero
エッセイ・ノンフィクション
最近は歳も歳なので、生存確認やマッチングアプリで知り合った相手の調査程度しか受けなくなりましたが、久しぶりに過去の思い出深いたくさんの案件を振り返ってみました。 アッと驚かないかも知れませんが、地道な調査の実話をお届けいたします。

クルマでソロキャンプ🏕

アーエル
エッセイ・ノンフィクション
日常の柵(しがらみ)から離れて過ごすキャンプ。 仲間で 家族で 恋人で そして……ひとりで 誰にも気兼ねなく それでいて「不便を感じない」キャンプを楽しむ 「普通ではない」私の ゆるりとしたリアル(離れした)キャンプ記録です。 他社でも公開☆

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ボケ防止に漫画投稿初めてみた!

三森まり
エッセイ・ノンフィクション
子供に手がかからなくなったし使える時間めっちゃ多くなったのでボケ防止に何かはじめようかなぁ そうだ!(・∀・)「指を動かす 頭を使う 家にいても出来る!!」という事で インターネットエクスプローラーのTOPページで宣伝してる この「アルファポリス」とやらをやってみよう! という事で投稿初めてみました へいへい 漫画描くの楽しいよ! と そんなエッセイと 私のアルポリ(どんな約し方がスタンダートなのか知ってる方教えてください)での成果?を綴る予定です(・∀・)b

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...