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第四章 タイ・ラオス・ベトナム駆け足雨季の旅
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 139
しおりを挟む二十三話
2007年7月1日の日曜日、僕はBinh Duong Hotelで前日申し込んだ「ワンデイシティツアー」というものに参加した。費用は僅か6ドル。
フロントでしばらく待ったあと、すぐに係員に案内された。
ホテルから出た通りに大型バスが停車していた。
「このバスです」と案内されて乗り込むとエアコンのよく効いた快適なバス。
今日もカンカン照りの好天、ラオスで雨を眺めていた数日前までとは大違い。
同じインドシナの雨季でも、気候が随分異なるようだ。
参加者は欧米人が8人程度と香港人(後に聞いたのだが)が1人、ベトナムの南部からの団体が6人程度、それと僕である。
僅か15名程度の参加者が、その倍以上の定員の大型バスに乗るのだから、二人座席を一人で利用できるのでありがたい。
さて、午前8時半に出発をした。
ガイドは二十台半ば位の俳優の「志垣太郎」(知らないかな)に似た好青年、ベトナムハットを被った精悍そうな顔つきだ。
流暢な英語で挨拶を始めた。
この先の各所でのガイドは、欧米人には彼が行い、ベトナムの団体には中年の女性ガイドが説明をしていた。
勿論ベトナム語は分からないから、やむなく英語ガイドの彼について回ったというわけだが、ブロークンな英語なので、説明はある程度分かる。
先ずはフォーン川を渡って少し行った所にあるガーデンパレスというか、つまり王宮を訪れた。
王宮近くの広い駐車場にバスは止まり、そこからぞろぞろと、みんな志垣青年に続いて王朝まで歩く。
正式名称を阮(グエン)朝王宮という広大な王宮は、お堀の橋を渡って「王宮門」から入る。
そしてすぐにその門の上に上がり、そこから王宮内部を見るのだ。
正面には両側にお堀を従えた「太和殿」があり、志垣青年がその歴史と「ベトナム戦争で完全に破壊されて、現在のものは終戦後再建されたのです」と欧米人にガイドしていた。
ベトナムはフランスの長年の支配のあと、アメリカにいいようにされてしまった歴史があり、この国を訪れるフランス人やアメリカ人は肩身の狭い思いを感じるのかどうか、などと気にしながら彼のガイドを聞いた。
日本人も中国や朝鮮半島を支配した歴史があるので、それらの国では日本人に対する悪感情を持っていて当然だと思う。
だが、終戦後の長い年月がそれを風化させているのか、日本人はとりわけ若い女性やオバチャン達は何も気にせず旅行を楽しんでいる。
王宮門を降りて太和殿へと足を運ぶ。
右から「太和殿」と大きく書かれている。何のヘンテツもないキンキラキンの大きな建物という印象だが、同行の旅行者たちは熱心に志垣青年の説明を聞いている。
しかし猛烈に暑い。
Tシャツ一枚に頭にはちょっと厚めの生地のバンダナを巻いているが、建物の外にでるとジリジリと肌が焼ける。
このあと広々とした王宮内にある建物をいくつか回ってバスに戻り、次に郊外へ出て阮朝のエンペラー達が居住したいわゆる「廟」をいくつか回った。
◆画像が小さくてすみません🙏😅
「廟」はいずれもフエ市内を見下ろせる高台に所在している。最初は「トゥドゥック帝廟」を訪れた。
広々とした庭園と大きな池があり、まるで公園である。
フエの風景の一部⇒ http://perorin.sakura.ne.jp/fue1.html
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