【完結】失恋した者同士で傷を舐め合っていただけの筈だったのに…

ハリエニシダ・レン

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愛してるとかどうとか

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最近、彼は私の名前に加えて「愛してる」とまで言うようになった。

「なんでそんなこと言うの!?」

と悲鳴をあげたら

「おまえの反応が面白いからかな」

と楽しそうに笑われた。

「面白いって何!?面白いって!」

と抗議したけれど

「そういうところだよ。…愛してる」

と笑ってキスされた。
答えになってない!

…言われるようになって気づいたのだけど、この「愛してる」とキスのセットは不味い。心臓に悪い。
バクバクいう心臓を押さえていると

「レイカ、愛してる」

の後にキスされて、喉の奥で悲鳴を漏らした。

訂正。
名前+愛してる+キスのコンボは不味い!

「レイカ、愛してる」

今度は耳元でそう囁いてからのキスだった…。

…私のHPはもうゼロよ…お願いだからもうやめて…

息も絶え絶えの私に、彼が囁いた。

「「私も」は?」

「……え……?」

「「私も愛してる」は?」

「っ…!!!」

言えるかー!!!

グッと口をひき結んだ私に、彼が意地悪く笑う。

「そんなに虐めて欲しいのか。いいだろう」

「っ!!?!???」

意味不明なことを呟いた彼に引き寄せられる。
そしてその後、本当に色々されてしまった。
私がそれに屈したかは………察して欲しい。




翌朝、彼はご機嫌だった。

「いや、レイカがあんなことまで言うとはな」

全部あなたが無理矢理言わせたんじゃない!

ジト目で抗議すると、

「そんな表情も可愛いな」

と笑ってキスされた。

………死者に鞭打つのはやめてください。本当に魂レベルで消えてしまいます………

もう、無闇に反抗するのは止そうと思った…。

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