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ああ、勘違い……
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彼が私の部屋に来るのは二度目だ。一度、仕事が忙し過ぎて買い物にも行けないと泣きついて、色々差し入れしてもらって以来。
彼の家ではもう、まるで自分の家のようにくつろいでしまうのに、立場が逆になると妙に落ちつかない。
「えっと、お茶でいい?」
「ああ」
瞬間湯沸かしケトルに水を入れてスイッチを押したら、ほんの一瞬でお湯が沸いた。
どうなってるんだこれ。
こんなにあっという間にお湯が沸くなんて
現実逃避をしようとしたのに、すぐに沸いたお湯の所為でそれも叶わない。
鍋でお湯沸かせばよかった
そんな益体も無いことを考えつつ、茶葉を入れたポットにお湯を注ぐ。
時間稼ぎにもならなかったとため息を吐いて、ポットとカップを彼の待つ部屋へと運んだ。
「それでさっきの男は?」
一口飲んだところで彼が口を開いた。
「会社の後輩」
それだけ言って、私もカップに口をつける。
「熱っ…」
慌てて口を離した。私は極度の猫舌なのだ。
あーもー、いつもは温くなるくらいまで放置してるのに。
間が持たなくてうっかりお茶に逃げようとした自分を叱咤する。
彼はそんな私を笑いもしないでじっと見ている。
「それだけか?」
「それだけって何よ」
「…あいつとも身体の関係があるんじゃないのか?」
ついカッとなった。
責めるような彼の口調に。
もう私と彼とは何でもないのにっ…
「あったとしても、あなたには関係ないでしょ!?」
すると何故か彼も声を荒げた。
「あるのか!」
身を乗り出した彼に肩を掴まれた。強い力で。
「痛っ…!放して!」
暴れたけれど、もう片方の手で反対側の肩も掴まれる。
「…あるんだな」
「私が誰としようと、あなたには関係ないでしょ!」
振り解こうともがくけれど、彼は放してくれず手の力が強くなった。
「…なんだと?」
彼が低い声を出した。
間近から睨みつけられて思わず背筋が震える。
でも、彼女ができた彼にこんなことで怒られる筋合いはない。…筋合いはないっ…!
怒りのままに怒鳴った。
「彼女がいる癖にっ!あなたにはもう彼女がいる癖にっ!!」
この裏切り者っ!
そんな理不尽な感情が湧く。
彼に彼女ができて幸せになれるなら、それはいいことなのに。
自分には誰もいないからって、置いてかれたような気になって詰るなんて、酷い八つ当たりだ。
本当は祝福しなきゃいけないのに。
こんな中途半端な関係から抜け出せた彼を…大切な人を見つけられた彼を…だって…彼は私の…大切な人なのだから……
ボロボロと涙を流す私に、彼が眉を寄せた。
「何の話だ?」
っ!この後に及んでとぼけるなんてっ…!
「見た…んだからっ…私っ…見たんだからっ…あなたが親しそうにっ…女の人と喋っ……っ…」
嗚咽で言葉にならない。
あんなものを見せつけておいて。それでもとぼけるなんて信じられない。
私たちは、確かにセフレみたいな関係だけれど、互いを大切にしていると思ってたのに。少なくとも、嘘をついて騙してまでセフレでい続けようだなんて、そんな酷い関係ではないと思っていたのに………
こんな彼、知りたくなかった…。
涙が止まらなくなる。
「あの日か…?」
いったん黙った彼が、ゆっくりと口を開いた。
「おまえがポストに鍵を入れてった日か?」
「………そうよ」
思い出しただけで指先が冷たくなった。
彼女の親しげな態度と、それを受け入れる彼の声。
鍵を手放した時の喪失感………
もうやだ
なんでこんなこと思い出させるの?
どうして、あのまま放っておいてくれなかったの?
やっと、少し記憶が薄らいだのに
今夜、狭山くんに抱かれていれば、きっともっと薄まったのに
なんでわざわざ邪魔して思い出させるの
なんでわざわざ…傷つけにきたの……
黙って泣き続ける私に、彼が静かに告げた。
「あれは姉だ」
「……………え?」
一瞬、思考が空っぽになった。
いやいやまさか。
そんな漫画でお馴染みの使い古された展開が…
いやいや…
いやいやいや………
「嘘、だよね?」
じっと彼を見上げる。
「いや、本当のことだ」
あくまで真顔な彼。
嘘をついている感じは…しない。
え……………
勘…違い…?
一瞬で顔に血が上った。
驚きで涙も止まった。
恥ずかしい。
こんな…ただの勘違いでこんな………
顔を手のひらで覆って身悶える。
合わせる顔がないとはこのことだ。
いっそこのまま帰ってくれないだろうか。
チラリと指の隙間から彼の様子を伺うと、じっとこちらを見ていた。
帰ってくれる気はなさそうだ。
「…この件につきましては、後日また日を改めまして………」
思わず仕事口調になった。
こんなの素でやってられない。
「…今すぐこの場でご回答いただきたい」
…彼がのってきた。
こんな時にのっからなくていいのに…!
恨めしく思いつつも、そのノリに少し冷静さを取り戻して顔から手を離した。顔はまだ赤いままだけど。
「いや、本当に今は無理だから今日はこのまま帰って…」
泣きそうになりながら訴えているのに距離を詰められた。
「ダメだ。どうせ電車ももう無い」
「タ、タクシー………」
「おまえが払うのか?」
「払う!払うから!」
彼の家は近くはないからちょっと痛いけど、この状況から逃れられるなら喜んで払うから!
でも、払うって言ってるのに
「ダメだ。無駄遣いするな」
却下されてしまった。
無駄じゃないのに。今の私の精神を守るにはむしろ必要経費ーー
キスされた。
久々で。予想外で。
なんでされたのかわからなくて。
抵抗できなかった。
だってこの流れでキスなんてーー
舌が入ってきた。
熱いそれに、うっかり思考が溶けていく。
久しぶりの…けれどももう何度も何度も繰り返したそれに、身体の力が抜けていってしまう。
「んっ…ふっ…」
ああ、ダメだ…身体が言うことをきかない………
「要するに、姉のことを誤解していた、というだけなんだな?」
耳元で囁かれてぼんやりと頷く。
なんか私、凄くマヌケだ。
嫌になって顔を背けた。
「ならもう、何も問題はないな」
「え…?」
何を言い返す間も無く抱き上げられ、ベッドの上へと下ろされた。
「抱くぞ」
じっと力強く見つめられ、身体から更に力が抜けてしまう。
諦めてそっと目を閉じた。
抵抗も口ごたえも、許してもらえなそうだったから。
彼の家ではもう、まるで自分の家のようにくつろいでしまうのに、立場が逆になると妙に落ちつかない。
「えっと、お茶でいい?」
「ああ」
瞬間湯沸かしケトルに水を入れてスイッチを押したら、ほんの一瞬でお湯が沸いた。
どうなってるんだこれ。
こんなにあっという間にお湯が沸くなんて
現実逃避をしようとしたのに、すぐに沸いたお湯の所為でそれも叶わない。
鍋でお湯沸かせばよかった
そんな益体も無いことを考えつつ、茶葉を入れたポットにお湯を注ぐ。
時間稼ぎにもならなかったとため息を吐いて、ポットとカップを彼の待つ部屋へと運んだ。
「それでさっきの男は?」
一口飲んだところで彼が口を開いた。
「会社の後輩」
それだけ言って、私もカップに口をつける。
「熱っ…」
慌てて口を離した。私は極度の猫舌なのだ。
あーもー、いつもは温くなるくらいまで放置してるのに。
間が持たなくてうっかりお茶に逃げようとした自分を叱咤する。
彼はそんな私を笑いもしないでじっと見ている。
「それだけか?」
「それだけって何よ」
「…あいつとも身体の関係があるんじゃないのか?」
ついカッとなった。
責めるような彼の口調に。
もう私と彼とは何でもないのにっ…
「あったとしても、あなたには関係ないでしょ!?」
すると何故か彼も声を荒げた。
「あるのか!」
身を乗り出した彼に肩を掴まれた。強い力で。
「痛っ…!放して!」
暴れたけれど、もう片方の手で反対側の肩も掴まれる。
「…あるんだな」
「私が誰としようと、あなたには関係ないでしょ!」
振り解こうともがくけれど、彼は放してくれず手の力が強くなった。
「…なんだと?」
彼が低い声を出した。
間近から睨みつけられて思わず背筋が震える。
でも、彼女ができた彼にこんなことで怒られる筋合いはない。…筋合いはないっ…!
怒りのままに怒鳴った。
「彼女がいる癖にっ!あなたにはもう彼女がいる癖にっ!!」
この裏切り者っ!
そんな理不尽な感情が湧く。
彼に彼女ができて幸せになれるなら、それはいいことなのに。
自分には誰もいないからって、置いてかれたような気になって詰るなんて、酷い八つ当たりだ。
本当は祝福しなきゃいけないのに。
こんな中途半端な関係から抜け出せた彼を…大切な人を見つけられた彼を…だって…彼は私の…大切な人なのだから……
ボロボロと涙を流す私に、彼が眉を寄せた。
「何の話だ?」
っ!この後に及んでとぼけるなんてっ…!
「見た…んだからっ…私っ…見たんだからっ…あなたが親しそうにっ…女の人と喋っ……っ…」
嗚咽で言葉にならない。
あんなものを見せつけておいて。それでもとぼけるなんて信じられない。
私たちは、確かにセフレみたいな関係だけれど、互いを大切にしていると思ってたのに。少なくとも、嘘をついて騙してまでセフレでい続けようだなんて、そんな酷い関係ではないと思っていたのに………
こんな彼、知りたくなかった…。
涙が止まらなくなる。
「あの日か…?」
いったん黙った彼が、ゆっくりと口を開いた。
「おまえがポストに鍵を入れてった日か?」
「………そうよ」
思い出しただけで指先が冷たくなった。
彼女の親しげな態度と、それを受け入れる彼の声。
鍵を手放した時の喪失感………
もうやだ
なんでこんなこと思い出させるの?
どうして、あのまま放っておいてくれなかったの?
やっと、少し記憶が薄らいだのに
今夜、狭山くんに抱かれていれば、きっともっと薄まったのに
なんでわざわざ邪魔して思い出させるの
なんでわざわざ…傷つけにきたの……
黙って泣き続ける私に、彼が静かに告げた。
「あれは姉だ」
「……………え?」
一瞬、思考が空っぽになった。
いやいやまさか。
そんな漫画でお馴染みの使い古された展開が…
いやいや…
いやいやいや………
「嘘、だよね?」
じっと彼を見上げる。
「いや、本当のことだ」
あくまで真顔な彼。
嘘をついている感じは…しない。
え……………
勘…違い…?
一瞬で顔に血が上った。
驚きで涙も止まった。
恥ずかしい。
こんな…ただの勘違いでこんな………
顔を手のひらで覆って身悶える。
合わせる顔がないとはこのことだ。
いっそこのまま帰ってくれないだろうか。
チラリと指の隙間から彼の様子を伺うと、じっとこちらを見ていた。
帰ってくれる気はなさそうだ。
「…この件につきましては、後日また日を改めまして………」
思わず仕事口調になった。
こんなの素でやってられない。
「…今すぐこの場でご回答いただきたい」
…彼がのってきた。
こんな時にのっからなくていいのに…!
恨めしく思いつつも、そのノリに少し冷静さを取り戻して顔から手を離した。顔はまだ赤いままだけど。
「いや、本当に今は無理だから今日はこのまま帰って…」
泣きそうになりながら訴えているのに距離を詰められた。
「ダメだ。どうせ電車ももう無い」
「タ、タクシー………」
「おまえが払うのか?」
「払う!払うから!」
彼の家は近くはないからちょっと痛いけど、この状況から逃れられるなら喜んで払うから!
でも、払うって言ってるのに
「ダメだ。無駄遣いするな」
却下されてしまった。
無駄じゃないのに。今の私の精神を守るにはむしろ必要経費ーー
キスされた。
久々で。予想外で。
なんでされたのかわからなくて。
抵抗できなかった。
だってこの流れでキスなんてーー
舌が入ってきた。
熱いそれに、うっかり思考が溶けていく。
久しぶりの…けれどももう何度も何度も繰り返したそれに、身体の力が抜けていってしまう。
「んっ…ふっ…」
ああ、ダメだ…身体が言うことをきかない………
「要するに、姉のことを誤解していた、というだけなんだな?」
耳元で囁かれてぼんやりと頷く。
なんか私、凄くマヌケだ。
嫌になって顔を背けた。
「ならもう、何も問題はないな」
「え…?」
何を言い返す間も無く抱き上げられ、ベッドの上へと下ろされた。
「抱くぞ」
じっと力強く見つめられ、身体から更に力が抜けてしまう。
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