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その一言があれば

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「ねぇ、そんなに洗濯機気持ちいい?ちょっと嫉妬しそうなんだけど」

「…っ!?そんな…わけ…なっ…っあっ……」

少し不機嫌そうに、ガタゴトと揺れる洗濯機にお腹を押しつけられた。振動が身体の中にまで伝わってきてしまう。

「だって今だってこんなに気持ちよさそうだし…洗濯機に寝取られるとか絶対嫌なんだけど」

「っ…バカっ…あり得ないっ…からっ…」

そんなこと言うくらいなら、やめてくれればいいのに。

「本当に?」

そう言いながらも、更に強く洗濯機に押しつけられる。ガツガツと奥を突く彼の動きと、微細な振動を伴って揺れる洗濯機の動きに責め立てられて奥がヒクつく。

「本当…にっ…」

なんとか答える。
…洗濯機に寝取られるとかあり得ない…あり得ないけど…洗濯機の振動凄いっ…

「じゃあ言って。洗濯機なんかより僕の方が100万倍好きだって」

「っ…本当…バカっ…」

何当たり前のこと…

「…言えないの?」

彼の声が低くなった。
なんで洗濯機に本気で嫉妬してるみたいな声…もう…バカっ…

「っ…っ…あなたのことがっ…大好きっ…世界で一番っ…好きっ…他の誰よりっ…何よりっ…好きっ…大好きっ…」

「…っ…よかった…」

こんな当たり前のことに、心底安心したりして。

「本当…バカ…」

「うん。僕はバカみたいに君のことが好きだからね」

「っ……」

こんなことをされてるのに、それでもその言葉に嬉しくなってしまう。
それを言うなら、私だってバカみたいに彼のことが好き。こんな恥ずかしいことをされて、全然拒めないくらいに。

「愛してるよ」

「うん…」

そのたった一言で、なんでも許せてしまいそうなくらいに。

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