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二回目

二回目開始

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「ミーキ。俺に頑張って欲しい?」

クスクス笑いながらタケルさんが囁く。
少しエッチな声で。

「~~~っ…!」

どうして言わせようとするかなぁ!??

「ミーキ。言わなきゃわからないよ?」

余裕たっぷりのタケルさんの声。
少し悔しい。

「っ…そこそこ…なら…」

ムスっとしながら返事をすると、タケルさんがふふっと笑った。

「オッケー。全力で可愛がってあげる」

っ…だからっ…そんなこと言ってないのにっ…!




「ほら、ミキ。ベッド行こう?」

洗濯機の音がうるさくてスマホを耳に押し当てていた所為で、耳元で囁かれた内容にドキリとする。
まるですぐ側にタケルさんがいるみたいで…。

「早く俺に、ミキのこと可愛がらせて」

「っ…」

「ね?」

「うん…」

前もそうだったけど、タケルさんに押されると、つい頷いてしまっている気がする。なんでだろう。

「好きだよ」

そしてちゅっとキスの音。
…不意打ち、本当やめて欲しい。ドキドキが止まらなくなるから。
電話を耳に当てたまま、寝室に戻った。



ペタンとベッドの上に座る。
目の前には…その…いわゆる小道具各種。

「ミキ、キュウリは用意してある?」

「うん…」

…タケルさんからの連絡を待っている間に、用意してしまっていた。
ゴムも。
…ゴムは前回のでほぼ終わりだったから、新しいのを一箱買った。
…タケルさんとする為に。

それと…
キュウリの隣に置かれたものの存在感が、気になってしょうがない。

…ほんの出来心だった。
前回、タケルさんに言われたことが耳に残っていて。
だから…。

ピンクの小さな機械、買ってしまった。
だってゴムのすぐ隣に置いてあったんだもの。まるで買うのが当たり前みたいに。

「あの…ね…今日は……」

どうしよう…これ言うの凄く恥ずかしいけど、言わなきゃタケルさんにはわからないし…

顔が熱い。

「その…アレ…買っておいたの…」

「…アレ?…何?」

「っ…その……」

正直、こんなの使ったことないし使われたこともない。買ってきたこれだって、まだパッケージに入ったままだ。

「何?もしかして…」

「……………」

ドキリとした。
タケルさんに言い当てられるのも恥ずかしいけど、でもその方がまだ気が楽ーー

「………穴開き下着?」

「違うからっ!」

思わず盛大に突っ込んだ。
なんでそんなもの買うと思うかなぁ!!?

タケルさんは爆笑している。

っ…また揶揄われたっ…!

「ロ、ローター。ローター買ったのっ…」

早く言ってしまわないと、次に何を言われるかわからないっ…

だから恥ずかしかったけど一気に言った。
そしたらタケルさんが黙った。

…まさか引いて…ないよね!!?

涙目になる。
こんなの買うだけでも恥ずかしかったのに、その上タケルさんに引かれたら本気で泣く。

「…マジで?」

でも聞こえてきたのは興奮した声。
…よかった。
引いてはいないみたい。
ほっとして、つい口が滑った。

「そのっ…タケルさんが喜ぶかなって思って…」

「へえ…」

タケルさんが電話の向こうで、嬉しそうにニヤニヤ笑う気配がした。

「俺を喜ばせる為にローター買ってきてくれたんだね、ミキ」

言い方ーっ!!!

けれど反論できない。
その通りだから。
だってこの前、ローターくらい持ってて当たり前みたいな口ぶりだったから、ちょっとがっかりさせちゃったかなって思ってて…

でももの凄く恥ずかしい。
…ちょっと後悔しそうなほどに。
でも

「ねぇ、ミキ」

タケルさんの優しい声が耳に届く。

「ありがとね」

「~~っ…!」

本当、そういうとこズルいっ…。

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