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オマケのオマケ
クリスマス
しおりを挟む失敗した。
シュウにクリスマスの事なんて言うんじゃなかった。
口が滑ったのだ。
ツルッと。
勢いよく。
盛大に。
それは先月のことだった。
もうすぐ年末だねって話していて。
前いた世界ではどんな風に過ごしてたかって話になって。
クリスマスっていう恋人と過ごすイベントがあるんだよって教えて。
そして………うっかり元カレの事まで口にしてしまったのだ……。
シュウは笑顔でキレた。
笑っているのに圧が凄くて、私は洗いざらい吐かされた。過去の彼氏と、どんな風に過ごしたのか。どんな風に過ごすカップルがいるのか。マンガで手に入れた知識まで総動員して!
そして今日、月の名前は違うけど今年最後の月。来年まで後数日と迫った日。「この日を僕らのクリスマスにしよう」とシュウが決めた日にーー
私は、赤いリボンでグルグル巻きにされていた。もちろん、リボン以外には何も身につけていない。下着さえも。
……弁解するけど、元の世界でこんな事をしたことはない!でもシュウの気迫に押されて色々向こうの知識を喋らされた結果、こうされる事になってしまったのだ。
「あの……シュウ………」
なんという羞恥プレイだろう。
創作ものでは割と見慣れた格好だけれど、まさか自分がする事になるとは夢にも思わなかった。
今の自分の姿を自覚したくない。
でもシュウがギラついた目で見てくるので、現実逃避している場合でもない。
……世界が違っても、男の人の趣味はあまり変わらないようだ。
「いいね、凄くいい……」
シュウが私に巻かれたリボンに手を伸ばしかけて、そして不意に止めた。
……もしかして許してくれる?
羞恥心が割と限界だった私は、ほっと安心しかけてからズドンと奈落に突き落とされた。
凄くいい笑顔で。
「やっぱり、このまましよう」
「………っ!!?」
身体に巻かれたリボンを解かれるのは、それはもう恥ずかしい。でもリボンを巻いたままエッチな事されるのは、それとは比べものにならないくらい恥ずかしいのに!
リボンに指を引っ掛けてグッと引っ張られ、胸がこぼれ落ちる。赤いリボンに縁取られた胸が、縛られてるみたいでSMを連想してしまう。
太めのリボンだし結びは緩いから、別に痛くはない。……痛くはないけど、凄く卑猥!
「可愛いよ……」
そんな事を言いながら胸にキスされた。
「可愛い」と言われるのは普段なら嬉しいけど、この格好で言われるのは複雑だ。
でも向こうでのクリスマスに嫉妬しているシュウに、口答えも抵抗も厳禁だ。だって…
「っ…やっ……」
思わず出た言葉にさえ、シュウは鋭く目を光らせた。
「ふーん?前の彼氏にされるのはよくて、夫の僕にされるのは嫌なの?」
「だからっ…こんな事したことないってばっ……」
「へえ、そう……」
何度も言ってるのに、信じてない態度のシュウ。
「君がそう言うなら、そうなのかもしれないけど……」
言葉を切って、胸を弄られる。リボンが食い込み歪む胸を。
「でもやっぱり妬けるから、僕にもさせて?」
「にも」とか、どうしてそんなに疑うんだろう。本当に誰とも、こんなのした事ないのに。
「だからしてないって……こんなのシュウだけっ…」
「……ん」
少し微笑んだシュウが、パクっと胸の先を咥えた。唇と舌での刺激に身体が震える。
あんまり…怒ってはいない…?
「ね、気持ちいい?僕の奥さん」
シュウにリボンを引っ張られる度に、胸が形を変える。
「クリスマスのプレゼント、貰うね?」
シュウのがズブズブと中に入ってきた。
「こんなの、いつもしてっ……」
るじゃない……
「ん……でも今日は特別、なんでしょ?クリスマスだから……」
こんなに恥ずかしい事をされても濡れるそこは、素直にシュウのを受け入れてしまう。
すぐにいつも通り奥まで入れられてしまった。身体中にリボンを巻かれたままなのに。
本当に本当に恥ずかしい。
今の格好を客観的に想像してしまい、顔から火が出そうだった。
「ほら言って。「私がプレゼント」そう言うしきたりなんでしょ?」
「っ…!」
もう本当やだ。
テンパっていたとはいえ、なんでそんな事まで教えちゃったんだろう。
「ほら、言って?」
動きがだんだん速くなる。
「………言うまでするよ?」
その脅しはズルい!
だってシュウには、それが実行可能だ。
「ねぇ、言わないの?」
奥の弱いところをグチャグチャに突かれて、言うより前にイってしまう。
「……後ろからもしようね」
囁いたシュウにうつ伏せにされて、今度は後ろから挿れられた。
私はこの体勢の方が弱いのにっ。
「んあっ…ああっ…」
「………リボンを巻いた背中もいいね」
リボンとリボンの間から背中にキスされる。
「ほら、早く言わないと言えなくなっちゃうよ?」
シュウのものが、何度も中を擦る。
「っ…ダメっ……」
「「ダメ」じゃなくて……ね?」
シュウが耳元で囁いた。
そこも弱いって知ってる癖に!
「……ねぇ、聞きたいな。今日はクリスマスだから。君は旦那様に何をプレゼントしてくれるの?」
弱いところを擦られ続けて、頭がぼんやりする。耳の後ろを舐められた。身体が震える。
「……僕へのクリスマスプレゼントは、何?」
肌にかかる熱い息に追い詰められる。
ああ、もうダメだ。
「私がっ…プレゼントっ…シュウへのプレゼントっ……!」
直後、より激しくなった突きに意識が飛んだ。そして休みなく突かれて続けざまに意識が飛ぶ。
「……可愛い……本当可愛い……」
いつもより大きく感じられるシュウのそれが、私の中で暴れ回る。
「全部全部、貰ってあげる。君の旦那様が」
その言葉にイった。
なのに、シュウのそれは止まらず動いている。
「一欠片残さず、貰ってあげる……」
何がどうなったのか、途中からあまり覚えていない。ただ、たくさんされたのは間違いない。断片的な記憶はあるし、身体もシーツも凄い事になっていたから。
………理不尽な事に、それだけしておいてシュウはピンピンしている。
……それに、ちゃんと「私がプレゼント」って言ったのに、結局めちゃくちゃたっぷりされたし。
本当、理不尽。
そんな約束など忘れたかのように、満足げな顔で私を抱きしめるシュウを見上げる。
相変わらずのイケメンだ。
大好き。愛してる。
でも……でも……でも………
まだ解いてもらえる気配のないリボンに巻かれ、ぐったりしながら心に誓った。
バレンタインの存在は、絶対に隠し通す!
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本日、一気に読ませて頂きました。
バレンタインのお話、読んでみたかった...。
書く予定はないですがありがとうございます!
面白いです〜💓
しばらくお話し続いてほしいな✨
ありがとうございます✨
リーシャのような話も好きですが、今回の作品みたいほのぼの(?)したお話も好きです!!
今回はあまり深刻にならず軽い感じを目指しました!
ありがとうございます!