完結R18)夢だと思ってヤったのに！

朝

目を閉じたまま、目蓋の向こうに陽の光を感じた。

朝だ……

心地よいだるさに寝返りをうつ。
思わず顔がニヤける。

いい夢、見ちゃったな…

あんな好みのイケメンに抱いてもらえるなんて。しかも抱き方まで、めちゃくちゃ好みだったし！

ニマニマしながら枕を抱きしめる。
かなりいっぱいイかされちゃったけど、凄くよかった。

ふふっ…本当に最高だった。


前の彼と別れて二年。
慎重派の私は「とりあえずヤるだけヤってみる」という真似はしない。だからそれ以来、右手と左手が夜の相棒だった。
それが…

エッチってあんなに気持ち良かったっけ。
っていうくらいに気持ち良かった。

やっぱり彼氏、作ろうかな…

夢補正が入ってるにしても、あんな風にしてもらえるなら、ちょっと頑張って彼氏を探すのも悪くないかもしれない。

ゴロンと再び寝返りをうつ。
なんだろ、この幸福感。


……でも待てよ？
夢だから、なのかな？
夢だから、あそこまで気持ち良かったのかな？

思えば前の彼氏も、その前の彼氏のエッチも、あそこまで気持ち良くはなかった気がする。…全然良くなかった訳でもないけど…

私、理想が高すぎるんだろうか…

ちょっと落ち込む。
だったら、昨夜の夢の中のあれが私の『人生最高のエッチ』になってしまうのでは……
それは少し虚しい。
でも…


「それでもいいかな？凄く…気持ち良かったし……」

思わず声に出して呟いたら

「それは良かった」

知らない声、というか昨夜初めて知った声がした。