R18完結)夫は私のことが好きだったようです

ハリエニシダ・レン

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本編

22 違和感

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夕方、ザーク様が帰ってきた。朝言っていた通り、あまり遅くない時間に。
少し疲れた様子のザーク様と、久しぶりに一緒に夕食を食べる。…朝食と同様、やっぱり観察されている気がして落ちつかない。

「あの…」

思いきって口を開いてみたけれど

「ん?」

私を見るザーク様の笑みが、いつになく甘い気がして。
つい

「なんでもありません」

と黙ってしまった。



夕食が済むと、私の腰に手を回したザーク様に連れられて部屋へと向かった。

「久しぶりに君を抱けると思うと、嬉しくてたまらない」

どこか既視感のある台詞を耳元で囁かれ、頬が熱くなる。嫌ではないけれど、心がザワリと波打った。

ザーク様、らしくない。
そんな台詞。

思わず顔を見上げると、やっぱりいつもとは違う甘い微笑みが返ってきた。

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