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本編

6 夫の帰宅

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夕飯を食べきってしばらくしてから、夫のザーク様が帰ってきた。
立って出迎える。

「あの…夕飯は先に食べるようにと聞いていたので…」

「ああ、そうだ。私の帰りが遅くなるならそうしてくれと伝えた。早く寝室に行きたかったからな」

あまりにさらりと言われたので、空耳かと思った。

「だから片手でつまめるものを用意してもらった。手早く湯浴みを済ませてすぐに行くから、寝室で待っていてくれ」

慌ただしく帰ってきた夫は、パンに具材を挟んだものをつまみながら、服を脱いでいく。呆然とそれを眺めている私を見て、ザーク様は少し不思議そうな顔をした。

「私が脱ぐところを見たいのか?まぁ君に見られるのはやぶさかではないが」

「い、いえ!」

昨日初めて、男の人の裸など目にしたのだ。夫とはいえ私には刺激が強すぎる。
慌てて寝室へ逃げ込んだ。


夫は、本当にすぐに寝室へやってきた。

「いい香りだな」

ベッドに上がりながら、ふと夫が呟いた。
確かに、寝室には昨日はしなかった香りが漂っていた。湯浴み中に侍女が用意してくれたのだろう。

「知っているか?」

夫が急に顔を近づけてきた。

「な、何をですか?」

「この香り、男の性的興奮を促す作用がある」

至近距離の囁き。
熱のこもった声が続ける。

「君の匂いと混ざって、とてもいい匂いだ」

「っ!!!?」

「おまけにその服…」

じっと見つめられ、大きく開いた胸元を思わず手で隠した。けれどその下まで見通しているような強い視線にゾクリとする。

「とてもよく似合っている」

吐息のような囁きとともに、逃げ場もなく押し倒された。

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