【完結】意地っ張りで口の悪い受けと、拗らせて執着する攻めの日常

進路〜春休み

同棲開始

藤堂の内定が出た後、一緒に住もうと提案した。

藤堂は最初は渋っていたけれど、俺が何度も何度も説得したら、最後には折れてくれた。多分、藤堂が頷くまで俺は諦めないというのが、伝わったんだろう。

それにメリットは多い。

二人で住むなら、広いところを借りられる。
きっと、就職したら藤堂は忙しくなる。疲れているだろう休日に、わざわざ来てもらうのもこちらから押しかけるのも、ちょっとどうかと思う。でも、一緒に暮らせば、飯を食いに起きてきた藤堂と顔を合わせられる。なんなら俺が料理を作って、藤堂は食べるだけで済む。

家から一歩も出なくても、一日中一緒にダラダラしていられる。
着替えを取りに帰らなくていいし、洗濯物が、とか郵便物が、とかの心配もしなくていい。
毎日、藤堂の顔を見られる。

むしろメリットしかないと思う。


それで二人で不動産屋をいくつか回って、藤堂の勤め先にほど近い、良さそうな物件を借りた。
俺はどうせ自宅勤務だから、場所にはそんなに拘らない。

藤堂とお揃いの鍵を手にした瞬間、顔がにやけてしまったのは、ごく当然のことだった。