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新学期
不安 藤堂サイド
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「動くな」
東雲がいきなり覆い被さってきた。
「な、なんだよ?」
そういう関係になったとはいえ、突然こんなことをされたら心の準備がというか落ち着かない。
思わず東雲の下から逃げ出そうともぞもぞ動く俺を、先ほどより鋭い声が止めた。
「動くな」
斬りつけるようなその響きに、知らず体がびくりと震えてしまった。
東雲の口から、噛み殺すような声が絞り出される。
「俺から逃げたいか?」
何言ってんだこいつは。
見当外れな言葉に肩の力が抜けた。
「バーカ、そんなはずねぇだろ?」
腕を伸ばして、そっと頭を撫でた。
こいつは時々、こんな風になる。
俺なんかの何がいいんだかわかんねぇけど、俺が離れていくんじゃないかと不安になるらしい。
本当バカみてぇ。そんなことあるわけないのに。
でも、おまえが不安だと言うならーーー
「いいよ、おまえの好きにしろ」
おまえがそれを理解するまで付き合ってやる。
耳元で囁くと、「ごめん」と呟いて俺の体を撫で回し始めた。
俺が感じるところに的確に触れて、俺が想像もしなかった場所に触れては俺を追いつめる。
気持ちいい。
こいつに触れられるのは、いつだって気持ちがいい。
俺はうっとりと目を閉じて身をゆだねた。
東雲がいきなり覆い被さってきた。
「な、なんだよ?」
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思わず東雲の下から逃げ出そうともぞもぞ動く俺を、先ほどより鋭い声が止めた。
「動くな」
斬りつけるようなその響きに、知らず体がびくりと震えてしまった。
東雲の口から、噛み殺すような声が絞り出される。
「俺から逃げたいか?」
何言ってんだこいつは。
見当外れな言葉に肩の力が抜けた。
「バーカ、そんなはずねぇだろ?」
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