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おまけ2
花言葉
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(二人の成人後)
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母上の誕生日に、兄上は毎年花を贈る。おまけのように、小さな花束をプレゼントに添える。
その花言葉に想いを託して。
一昨年は「私はあなたのもの」
去年は「あなたは私の全て」
今年は「あなたを奪いたい」
息苦しささえ感じるほどの想い。
……母上は、兄上の意図にはこれっぽっちも気づいていないようだけれど。綺麗な花だと、嬉しそうに笑って受け取るだけだけど。
花言葉を知らない以前に、多分母上は兄上の想いを一時の気の迷いだと思いたがっている。父上が帰って来る日に僕らが母上を抱く時だけの、ほんの一時の気の迷い。
側から見ていても、そんな訳ないってはっきりわかるのに。
特にここ数年の、兄上が母上を見る目は……
少しだけ兄上が気の毒になる。
不毛過ぎる想い。
母上は父上のものなのに。
どうせ兄上は、そのうち国の為に誰かと結婚しなきゃならないのに。その相手に母上を選ぶことなんて、できっこないのに…。
そんなことは十分わかっているだろうに、それでも諦められないでいる兄上が、少し可哀想でそしてほんの少しだけ羨ましい。
そこまで誰かを想えることが。
無駄だとわかっていても尚、想わずにはいられない相手がいることが。
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母上の誕生日に、兄上は毎年花を贈る。おまけのように、小さな花束をプレゼントに添える。
その花言葉に想いを託して。
一昨年は「私はあなたのもの」
去年は「あなたは私の全て」
今年は「あなたを奪いたい」
息苦しささえ感じるほどの想い。
……母上は、兄上の意図にはこれっぽっちも気づいていないようだけれど。綺麗な花だと、嬉しそうに笑って受け取るだけだけど。
花言葉を知らない以前に、多分母上は兄上の想いを一時の気の迷いだと思いたがっている。父上が帰って来る日に僕らが母上を抱く時だけの、ほんの一時の気の迷い。
側から見ていても、そんな訳ないってはっきりわかるのに。
特にここ数年の、兄上が母上を見る目は……
少しだけ兄上が気の毒になる。
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母上は父上のものなのに。
どうせ兄上は、そのうち国の為に誰かと結婚しなきゃならないのに。その相手に母上を選ぶことなんて、できっこないのに…。
そんなことは十分わかっているだろうに、それでも諦められないでいる兄上が、少し可哀想でそしてほんの少しだけ羨ましい。
そこまで誰かを想えることが。
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