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おまけ2
不思議なものを見てしまいました
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レオン&サイラスルートの章タイトルから派生したおふざけ編
※途中BLっぽいけどBLじゃありません。
いつもとちょっと違う感じでコメディー寄りの話になってます。
(二人ともがっつり参加してる頃)
------
レオンとサイラスが離れて、殿下が私に触れ始めて少しして、クスクスと楽しげな声が聞こえてきた。
レオンたちの方から。
ついそちらを向くと、レオンとサイラスが楽しそうに笑いながらじゃれ合っていた。
「リーシャ、こっちに集中して?」
殿下の手にそっと顔の位置を戻される。いつも通り、殿下の楽しげな笑みが視界に広がる。
「ね?」
唇がそっと重なって目を閉じた。
けれど、レオンたちの声はずっと聞こえている。小さく囁く声と、キスの音も聞こえてくる。
「あ、こら…ダメだって…」
「これくらい別に、ね?」
どうしても気になってしまって、もう一度そちらに視線をやった。
レオンたちが、互いに頭を抱きしめあって、頬にキスしていた。
…いいのだろうか…?
思わず凝視していると、キスをしていた殿下の目が開いた。余所見をしていたことを咎めるような強い視線に、ハッとなる。
「リーシャ。僕の言うこと、聞けないのかい?」
「っ…ぁ…」
何か言い訳を思いつく前に、再び唇を重ねられた。さっきよりずっと激しいキスに、レオンたちのことが頭から消える。
「そう…君は僕だけ見てればいいんだよ…」
満足そうな声。
殿下はじっと私だけを見つめている。
ふと気づくと、レオンとサイラスがすぐそこまで近づいてきていた。サイラスが唇の前で指を立てて「しーっ」という仕草をしてみせた。
悪戯っぽい笑顔に戸惑っているうちに、レオンが殿下を後ろから素早く抱え込む。
「っ…!??!?」
殿下の目がまん丸に見開かれる。
「父上…」
ボソリと耳元で囁くレオン。
「レオンっ…!?」
慌てて身体をよじる殿下。
けれど拘束がきついようで腕の中から抜け出せない。
「母上はそこで見てて」
サイラスにウインクされて、目をパチパチと瞬く。
何が起こっているの?
レオンに後ろから抱きつかれた形の殿下に、サイラスが近づいた。サイラスが、両手でそっと殿下の頬を挟む。
「父上……」
目を閉じて殿下の額にキスするサイラス。
「っ……サイラス!?」
再び身を捩る殿下。
それには構わず、殿下の目蓋に、頬に、顎のラインにキスを繰り返すサイラス。
「…たまにはこういうのもいいよね…?」
サイラスの色っぽい笑み。
ゆっくりとサイラスの唇が近づく。
殿下の唇に。
あともうちょっとで唇が重なりそうになったその時ーー
「良い訳あるかっ!!!」
殿下の頭突きがサイラスの額に炸裂した。
「~~~~~っ!!」
額を押さえて呻き声をあげるサイラス。
殿下はすかさず身体を捻ると、レオンの鳩尾と顎に素早く肘打ちを入れた。
レオンが仰向けに倒れる。
殿下が大きく息を吸い込んだ。
「バカかおまえらはっ!!!」
珍しい怒声。
ああ、殿下はこんな顔をして怒る人だったわね…
随分前に怒られた時のことを思い出す。びっくりし過ぎて少し感想がズレてしまう。
「だって…」
サイラスが額を押さえながら、しょんぼりと眉を下げた。よほど痛かったのか、涙目になっている。
「だって何だ!」
「父上と母上が仲良くしてて寂しかったから」
その答えに毒気を抜かれたのか、殿下の怒気が少し収まった。
「…だからってあれは違うだろう」
「…ごめんなさい」
殊勝に謝るサイラス。
…サイラスはこういうの上手い子だから計算づくでやってるのかもしれないけど、そうと知っていても許してしまいたくなる雰囲気。
殿下も同じなのか、大きくため息を吐き出した。
「二度とするな」
許しの言葉を与えられ、ほっとした顔で頷くサイラスに、
「後で罰は与えるからな」
と釘を刺した。
次にレオンを振り返ったけれど、レオンはまだ仰向けのまま顎を押さえている。相当痛かったのかもしれない。
「おまえは、どういうつもりだったんだい?レオン」
殿下の、静かなのに怒りを感じさせる声。レオンへの怒りとサイラスへの怒りは別腹らしい。
微かに頭を持ち上げて殿下を見ながらレオンは答えた。
「…そういう父上もたまにはいいかなって…」
「良い訳あるかっ!!!!」
今度は殿下の拳がレオンに炸裂した。
殴られて痛みに転がるレオンと、肩で息をする殿下。それと額を赤く腫らしたサイラス。
その三人を見ていたら、不意に笑いが込み上げてきてしまった。堪えようとしたのだけれど堪えきれず、クスリと声が出てしまう。
殿下が振り返って私を見ているけれど、止められない。
っ…ふっ…ふふっ…ふふふっ…
止めようと、思ったのだけれど
ふふふっ…うふふっ…ふっ…ふふっ…っ…ふふふっ…
ちょっとツボに入ってしまって。
ふふふっ…っ…ふっ…も…ダメっ…おかしっ…ふふっ…
笑い止もうと努力しているのだけれど、殿下が唖然とした顔でこちらを見ているものだから、笑いがぶり返してしまう。
ふふっ…
さっきの殿下の焦った顔。
滅多に余裕を崩さない殿下の、本気の焦り顔を思い出すたびに、笑いが込み上げてしまう。
ふふっ…ふふふっ…ふっ…
肩を震わせて笑う。
けれどーー
「ねぇ、リーシャ。そんなに面白かったかい?」
気づけば、笑顔で怒っている殿下がすぐそこまで来ていた。
反射的に笑いが引っ込む。
「あ…いえ…その……」
焦って思わず左右を見ると、サイラスには苦笑を返されレオンには視線を逸らされた。
「それはよかったね?」
殿下が覆い被さってくる。
怒っている殿下が。
「ところで僕は今、とても気分がのっているんだよ。だから…」
耳元で殿下が囁いた。
苛立ちを多分に含んだ声で。
「いつもよりずっと念入りに、可愛がってあげるよ。僕のリーシャ」
※途中BLっぽいけどBLじゃありません。
いつもとちょっと違う感じでコメディー寄りの話になってます。
(二人ともがっつり参加してる頃)
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レオンとサイラスが離れて、殿下が私に触れ始めて少しして、クスクスと楽しげな声が聞こえてきた。
レオンたちの方から。
ついそちらを向くと、レオンとサイラスが楽しそうに笑いながらじゃれ合っていた。
「リーシャ、こっちに集中して?」
殿下の手にそっと顔の位置を戻される。いつも通り、殿下の楽しげな笑みが視界に広がる。
「ね?」
唇がそっと重なって目を閉じた。
けれど、レオンたちの声はずっと聞こえている。小さく囁く声と、キスの音も聞こえてくる。
「あ、こら…ダメだって…」
「これくらい別に、ね?」
どうしても気になってしまって、もう一度そちらに視線をやった。
レオンたちが、互いに頭を抱きしめあって、頬にキスしていた。
…いいのだろうか…?
思わず凝視していると、キスをしていた殿下の目が開いた。余所見をしていたことを咎めるような強い視線に、ハッとなる。
「リーシャ。僕の言うこと、聞けないのかい?」
「っ…ぁ…」
何か言い訳を思いつく前に、再び唇を重ねられた。さっきよりずっと激しいキスに、レオンたちのことが頭から消える。
「そう…君は僕だけ見てればいいんだよ…」
満足そうな声。
殿下はじっと私だけを見つめている。
ふと気づくと、レオンとサイラスがすぐそこまで近づいてきていた。サイラスが唇の前で指を立てて「しーっ」という仕草をしてみせた。
悪戯っぽい笑顔に戸惑っているうちに、レオンが殿下を後ろから素早く抱え込む。
「っ…!??!?」
殿下の目がまん丸に見開かれる。
「父上…」
ボソリと耳元で囁くレオン。
「レオンっ…!?」
慌てて身体をよじる殿下。
けれど拘束がきついようで腕の中から抜け出せない。
「母上はそこで見てて」
サイラスにウインクされて、目をパチパチと瞬く。
何が起こっているの?
レオンに後ろから抱きつかれた形の殿下に、サイラスが近づいた。サイラスが、両手でそっと殿下の頬を挟む。
「父上……」
目を閉じて殿下の額にキスするサイラス。
「っ……サイラス!?」
再び身を捩る殿下。
それには構わず、殿下の目蓋に、頬に、顎のラインにキスを繰り返すサイラス。
「…たまにはこういうのもいいよね…?」
サイラスの色っぽい笑み。
ゆっくりとサイラスの唇が近づく。
殿下の唇に。
あともうちょっとで唇が重なりそうになったその時ーー
「良い訳あるかっ!!!」
殿下の頭突きがサイラスの額に炸裂した。
「~~~~~っ!!」
額を押さえて呻き声をあげるサイラス。
殿下はすかさず身体を捻ると、レオンの鳩尾と顎に素早く肘打ちを入れた。
レオンが仰向けに倒れる。
殿下が大きく息を吸い込んだ。
「バカかおまえらはっ!!!」
珍しい怒声。
ああ、殿下はこんな顔をして怒る人だったわね…
随分前に怒られた時のことを思い出す。びっくりし過ぎて少し感想がズレてしまう。
「だって…」
サイラスが額を押さえながら、しょんぼりと眉を下げた。よほど痛かったのか、涙目になっている。
「だって何だ!」
「父上と母上が仲良くしてて寂しかったから」
その答えに毒気を抜かれたのか、殿下の怒気が少し収まった。
「…だからってあれは違うだろう」
「…ごめんなさい」
殊勝に謝るサイラス。
…サイラスはこういうの上手い子だから計算づくでやってるのかもしれないけど、そうと知っていても許してしまいたくなる雰囲気。
殿下も同じなのか、大きくため息を吐き出した。
「二度とするな」
許しの言葉を与えられ、ほっとした顔で頷くサイラスに、
「後で罰は与えるからな」
と釘を刺した。
次にレオンを振り返ったけれど、レオンはまだ仰向けのまま顎を押さえている。相当痛かったのかもしれない。
「おまえは、どういうつもりだったんだい?レオン」
殿下の、静かなのに怒りを感じさせる声。レオンへの怒りとサイラスへの怒りは別腹らしい。
微かに頭を持ち上げて殿下を見ながらレオンは答えた。
「…そういう父上もたまにはいいかなって…」
「良い訳あるかっ!!!!」
今度は殿下の拳がレオンに炸裂した。
殴られて痛みに転がるレオンと、肩で息をする殿下。それと額を赤く腫らしたサイラス。
その三人を見ていたら、不意に笑いが込み上げてきてしまった。堪えようとしたのだけれど堪えきれず、クスリと声が出てしまう。
殿下が振り返って私を見ているけれど、止められない。
っ…ふっ…ふふっ…ふふふっ…
止めようと、思ったのだけれど
ふふふっ…うふふっ…ふっ…ふふっ…っ…ふふふっ…
ちょっとツボに入ってしまって。
ふふふっ…っ…ふっ…も…ダメっ…おかしっ…ふふっ…
笑い止もうと努力しているのだけれど、殿下が唖然とした顔でこちらを見ているものだから、笑いがぶり返してしまう。
ふふっ…
さっきの殿下の焦った顔。
滅多に余裕を崩さない殿下の、本気の焦り顔を思い出すたびに、笑いが込み上げてしまう。
ふふっ…ふふふっ…ふっ…
肩を震わせて笑う。
けれどーー
「ねぇ、リーシャ。そんなに面白かったかい?」
気づけば、笑顔で怒っている殿下がすぐそこまで来ていた。
反射的に笑いが引っ込む。
「あ…いえ…その……」
焦って思わず左右を見ると、サイラスには苦笑を返されレオンには視線を逸らされた。
「それはよかったね?」
殿下が覆い被さってくる。
怒っている殿下が。
「ところで僕は今、とても気分がのっているんだよ。だから…」
耳元で殿下が囁いた。
苛立ちを多分に含んだ声で。
「いつもよりずっと念入りに、可愛がってあげるよ。僕のリーシャ」
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