70 / 153
第2章
14 求婚
しおりを挟む
すべての準備を整えてから、リーシャに求婚した。正式に私の妻になって欲しいと彼女に告げた。
予想通り、リーシャは最初は頷かなかった。
分かっていた。
既に事実上の妻として彼女に接してはいたけれど、公式に婚姻を結ぶのはまた別なのだと。
だから彼女がすんなり受け入れないことは分かっていた。
けれど私は、彼女を逃す気など更々なかった。
彼女はもう、私のものなのだ。
この手から放したりなどしない。
どれだけ周囲に、自分に、彼女に、無理を強いたとしても。
もう、彼女と離れることなどできない。
できないのだ。
「あなたは、私なしでも平気なのですか?」
最終的に、この言葉でリーシャは黙った。揺れる瞳にとどめを刺す。
「私は、あなたを手放して生きるつもりなどない。私は、あなたなしで生きることなどできない」
彼女は、躊躇い震えながらも私の手を取ってくれた。
息子と婚姻を結ぶなど、彼女にとっては考えもつかないことだっただろう。普通の価値観ではありえないことなのだ。多くの人を欺くことにもなる。
彼女が怯え躊躇うのは当たり前だと分かっていた。
けれど頷いてしまえば、彼女がより私から離れられなくなるという計算もあった。
…私も結局、父上の子ということなのだろうか。
ちょっと眉が寄ってしまう事実だが、それで彼女をこの手に絡めとれるのならば、それでよしとしよう。
私は、もう二度と彼女を手放さないと決めたのだから。
どんな手を使ってでも。
予想通り、リーシャは最初は頷かなかった。
分かっていた。
既に事実上の妻として彼女に接してはいたけれど、公式に婚姻を結ぶのはまた別なのだと。
だから彼女がすんなり受け入れないことは分かっていた。
けれど私は、彼女を逃す気など更々なかった。
彼女はもう、私のものなのだ。
この手から放したりなどしない。
どれだけ周囲に、自分に、彼女に、無理を強いたとしても。
もう、彼女と離れることなどできない。
できないのだ。
「あなたは、私なしでも平気なのですか?」
最終的に、この言葉でリーシャは黙った。揺れる瞳にとどめを刺す。
「私は、あなたを手放して生きるつもりなどない。私は、あなたなしで生きることなどできない」
彼女は、躊躇い震えながらも私の手を取ってくれた。
息子と婚姻を結ぶなど、彼女にとっては考えもつかないことだっただろう。普通の価値観ではありえないことなのだ。多くの人を欺くことにもなる。
彼女が怯え躊躇うのは当たり前だと分かっていた。
けれど頷いてしまえば、彼女がより私から離れられなくなるという計算もあった。
…私も結局、父上の子ということなのだろうか。
ちょっと眉が寄ってしまう事実だが、それで彼女をこの手に絡めとれるのならば、それでよしとしよう。
私は、もう二度と彼女を手放さないと決めたのだから。
どんな手を使ってでも。
1
お気に入りに追加
3,583
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる