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第1章

20 目隠し1

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「リーシャ…」

レオンの声音を意識して、目隠しさせたリーシャを呼んでみた。

「リーシャ…」

甘い、愛おしそうな声で。
普段はこんな風には呼べないけれど、今日は特別だ。
『レオンの振りをして、リーシャを追いつめるため』
今日はそんな言い訳ができるから。

リーシャが戸惑っている気配がする。そう。それでいい。

「リーシャ」

もう一度呼んで、そっとキスをした。慈しむように、優しく。
レオンはリーシャを名前で呼んだりはしないけど。

「リーシャ」

熱を込めて、耳元で囁く。

隣でレオンが嫌そうに僕を睨んでいるけど、邪魔はしてこない。
そういう風に育てたから。

「リーシャ、可愛い」

胸をそっと揉む。
いつもより、ずっと優しく。
先端に掠めるようにキスすると、可愛い声で啼いた。

「レオ…ン?」

ふふっと笑ってみせる。
でもちょっと辛いな。息子と間違われるのは。

だから、いつものように先端を口に含んで舌で転がし、軽く噛んだ。

「…っ!…殿…下!?」

答えては、やらない。

「どっち…ですか?」

不安そうな声。

「どっちだと思う?」

「殿…下…?」

意地悪が過ぎたのか、バレてしまったかもしれない。

「どっちだろうね?」

それでも、はぐらかす。

「中に挿れたらわかる…かな?それともやっぱりわからないかな?」

彼女の体が強張った。

「リーシャ」

名前を呼ぶ。
いつもレオンがそうするように、愛しくて堪らないという声音で。

「リーシャ」

熱く、心から彼女を求める声音で。
脚の付け根に手を滑らせると、リーシャのそこはもう濡れていた。

どっちに触られてると思って濡れたんだろうね?

そんなことを思いながら、すっかり勃ち上がった自分のモノを押し当てた。
そして

「愛してる」

一気に奥まで貫いた。
リーシャは声もなく震えている。

「今のでイったの?リーシャ。可愛い」

リーシャの呼吸が整うのを敢えて待つ。レオンが毎年そうするように。彼女をいたわりながら。愛おしそうに何度もキスをしながら。
そしてリーシャの呼吸が落ちついてきたところで、腰を動かし始めた。
リーシャの口から、甘い声が溢れる。

「可愛いよ、リーシャ」

リーシャに触れる指先に愛をこめる。今日は全部、レオンの振りをする為だと言い訳できるから。

「好きだよ、リーシャ。愛してる」

今日だけは、リーシャに愛を囁く。
きっと、こんな風に彼女を抱くのは、後にも先にもこれきりだ。

「僕のリーシャ。愛してる」

リーシャが切なげな声をあげた。彼女の気配が、嬉しそうなものに変わる。
腕が、僕の首に回された。
細い指先に、うなじをくすぐられる。
啄むようにキスすると、彼女も同じように返してきた。彼女の中を貪りながら、夢中になってキスをする。
リーシャが先に果てた。
彼女の中が僕に絡みつく。
震える彼女の耳に囁いた。
ありったけの想いを込めて。


「君だけを愛してる。僕は、君しかーー」


そして後を追うように中に放った。

リーシャの中は、いつもよりずっと貪欲に僕のモノを絞り取ろうとしている。それに応えるように、彼女の体をきつく抱きしめた。

「リーシャ…リーシャ…」

らしくなく、気持ちが高ぶってしまっている。リーシャが何か言いたそうに口を開いた。でも、迷ったように動いた後、結局何も言わずに閉じた。
多分、どちらの名前を呼んだらいいかわからなかったんだろうな。
可哀想に。

他人事のように考えながら、その唇にキスをする。
教えてやらない。今君を抱いているのが誰かなんて、教えてやらない。

苦しめばいい。僕が急に戯れに愛を囁いたのか、それともレオンが僕らの前で気持ちを抑えきれずに君を抱いたのか。
わからずに苦しめばいい。

でも。
サイラスだとは思わないだろうな、とちょっと苦笑する。
あいつは僕に似過ぎた。
嫌がる相手しか愛せない。

そもそもあいつは、リーシャとするのを楽しんではいるけれど、そういう意味で好きな訳じゃない。
…少なくとも、今はまだ。
だから決してこんな風には抱かないだろう。
抱くならもっと、意地悪くーー。

リーシャから離れ、サイラスに顎で合図した。
サイラスは服をすべて脱ぎ捨てると、リーシャを組み敷いた。

「母上」

どうやら今夜は、こいつもレオンの真似をすることにしたようだ。
いつもより甘えたような声で呼んでいる。まぁ、あまり真面目に騙すつもりはないようで、あくまで「レオンの振りをしているサイラス」といった感じだけど。

それでも見えないせいで、いつもと違う彼の態度にリーシャが戸惑う気配がした。

「母上」

サイラスが楽しそうに、啄むようなキスを繰り返す。
そして、両手で彼女の胸を掴むと、その間に自分のモノを挟んだ。

「こういうのってね」

サイラスが嬉しげな声でリーシャに囁く。

「娼婦がするんだってさ」

リーシャの胸を使って自分のモノを刺激するサイラス。
見えなくても、何をされているのかは想像がつくのだろう。嫌そうに身をよじるリーシャ。
しかし陰唇は物欲しげにパクパクと開閉していた。
レオンが視線を寄越したので、頷いてやる。

こんなだけど、僕はこれでもレオンのことを可愛く思っているんだ。
サイラスのことも。
だからある程度なら、望みを聞いてやっている。
こんな風に。

レオンも服を脱ぐと、リーシャの陰唇にそっと唇をあてた。
愛しい相手にキスするように。
びくりと大きくリーシャの体が震えて弛緩した。
折角なので、リーシャの頭側に回り込んで囁いてやる。僕かレオンかわからないような、曖昧な声音で。

「今のでイったの?可愛いね、リーシャ」

髪をそっと撫でてやると、甘い切なげな吐息が漏れた。しかしそれは、すぐに激しい喘ぎ声に変わった。
レオンの口元から、いやらしい水音が響く。首を横に振って、快感から逃れようとするリーシャが堪らない。

「もっと感じていいんだよ。リーシャ」

指を組み合わせるようにして、リーシャの手を握った。

「もっと乱れてみせて。お願い」

甘く囁くと、リーシャは素直に切なげな声をあげて更に乱れ始めた。
堪らなくなって、唇を唇で塞ぐ。リーシャから舌を絡めてきた。
舌の付け根から搾り取るように刺激されて、体が熱くなる。握った手に力を込めて、僕もリーシャの口内を舌で舐め回す。

リーシャの呼吸が苦しそうになった。でも、やめてなんかやらない。
益々激しく舌を貪る僕の耳に、更に大きくなった水音が響いた。
レオンが、対抗意識を燃やしているようだった。
喉の奥で笑う。

レオンを挑発するように、舌を動かす。リーシャの体が震えて、びくんびくんと何度も痙攣した。
でも、止めてなんてやらない。
僕に挑発されたレオンも止まらない。
リーシャは、身を捩りながら体を震わせ続ける。
気まぐれに、少しの間だけ唇を離してやった。

「や…も…死んじゃうっ…」

きれぎれの悲鳴が、口から溢れた。

可愛いね、リーシャ。
本当に君は、男を煽るのが上手いよ。

口に、耳にキスしながら、空いている方の手はサイラスの手に重ねるようにしてリーシャの胸を揉んでいると

「そろそろ挿れたいんだけど…」

焦れたように、サイラスが不満顔で呟いた。

おっと、楽しすぎて忘れてたよ。

彼ににっこり笑って、リーシャの上体を起こさせた。
すぐさま、リーシャを後ろから抱え込むようにして、彼女のお尻にサイラスが突き挿れる。
身を震わせて耐えるリーシャが可愛くて、レオンを退かして僕も再び前の穴に一気に突き挿れた。

リーシャが声にならない悲鳴をあげて頭を振る。

「気持ちいいの?リーシャ。前とお尻と同時に挿れられるの、そんなに気持ちいい?」

「嫌あっ!」

辛そうな悲鳴。
でも当然続ける。だって

「こんなにぐちゃぐちゃなのにそんな嘘をついてはダメだよ?リーシャ。ほら、交互に突いて気持ちよくしてあげるから、素直になって」

前と後ろと、サイラスと交互に突いてやる。嬌声をあげる口も、寂しそうだったので塞いであげた。

「気持ちいい。そうだよね?リーシャ」

少しだけ唇を解放して確認する。

「は…いっ…殿…下っ…」

おっとしまった。ついいつもの調子で抱いてしまっていた。
再びレオンの真似をして、甘く耳元で囁いてやる。

「リーシャ…」

わざとらし過ぎたかもしれないが、今の彼女ならこれで十分だ。快楽にドロドロに溶けている今の彼女なら。

「リーシャ…」

熱く、愛おしそうに名前を呼ぶと、リーシャは切なげに喘いだ。
仲間外れにされたレオンが、苛立ったようにリーシャの逆側の耳を口に含んだ。嫌がって首を振る彼女の頭を押さえ込んで離さない。
そしてもう片方の手で胸を乱暴に揉んで、乳首を摘んだ。

「気持ちいい?」

レオンは逆に、僕の振りをすることにしたようだった。
熱に浮かされたようなレオンの声に、リーシャが何度も頷く。

父親を挑発するとはいい度胸だ。

下からリーシャを思い切り突き上げてやる。アイマスクの隙間から涙が溢れ落ちた。
それをレオンが舐めとる。

「もっと乱れて」

そんな言葉とともに。

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